ダルビッシュも認めた 25歳の元早実エース、「107日間の米挑戦」で決めた第二の人生
ダルビッシュからもエール「何にでも好奇心があり、トライする勇気がある」
「動ける投球戦略家」としての指導理念についてもはっきりしている。土台となるのは「球速の上昇」と「怪我の防止」という。
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「まずは球を速くすること。球が速ければ速いほど、被打率は低くなる。到達時間が短かれば、打者は判断を早めなければいけない。加えて、怪我をしないトレーニングと投球フォームを実践すること。今まではそれぞれに専門家がいた部分を、データと感覚を融合させて、両面からコーディネートしていく。自分が体を動かし、実験台にすることで研究し、さらに進化させていきたい」
「野球を楽しみたい」というレベルの少年野球から、「本気でプロを目指したい」という高校、大学、社会人で第一線の選手まで、依頼は受け入れる心つもりだ。今回の米挑戦により、独立リーグにプロ選手として契約しているため、日本で高校生、大学生を指導するために必要な「学生野球資格回復」の講習も12月に受講を予定。ただ、最も魅力を感じているのが、社会人選手という。
「自分が関わってきた世代でプロを目指す選手、あるいは不調に陥っている選手の復活を後押ししたい。だからといって、もちろん、全員がプロを目指す必要もないというのが自分の考え。小中学生は未来があるけど、指導次第で潰れてしまう子もいる。どの年代であっても、能力を一段引き上げるだけの指導を提供できる自信は持っている」
サポートしてくれたダルビッシュに今回の決断を報告すると「内田さんは何にでも好奇心があり、トライする勇気があるのが強みです。どの業界でトップになるにはそれが大事です」と温かいエールを送られたという。「もし、自分に子供ができたらプロ野球選手にさせる自信はある」という内田。改めて米挑戦について聞くと「想定外の連続だったけど、行って良かった」という。
夢が一つ破れ、夢が一つ生まれた107日間。25歳の青年は、希望に胸を膨らませ、第二の人生に踏み出した。
(THE ANSWER編集部・神原 英彰 / Hideaki Kanbara)