「ダブルスは2人で作るもの」― フクヒロを世界トップ3に成長させた「気づき」
対照的な雰囲気を持つ2人、気の置けない会話に笑いが絶えず
しっかり者の福島とおっとりとした廣田。そんな対照的な雰囲気をまとう2人の会話は、今となっては仲のいい姉妹のようだ。試合中の緊張に話題が及べば……。
福島「緊張より楽しみの方が大きいですね。緊張はしない方かな?」
廣田「先輩はしません。自分は緊張するタイプだと思います。試合が始まる時に『今日、緊張してます』って伝えると…」
福島「だよねって(笑)。顔を見ればすぐ分かりますから」
試合前に聞く「勝負曲」の話になれば……。
福島「私は三代目(J SOUL BROTHERS)が好きなので、その曲を聴いてテンションを上げて試合に入りますね」
廣田「自分も一緒で、プレイリストを作ってシャッフルで流しています。EXILEとONE OK ROCKで気分を上げてます」
福島「でも、ずっとこんな感じなので、気持ちが上がってるのか全然分からないんです(笑)」
廣田「自分の中ではかなり盛り上がってますよ(笑)」
恥ずかしそうに笑う廣田を見ながら、「こう見えて、プレースタイルは意外に強気。どんな時でもドンドン前に攻めるんですよ」と明かす福島の顔にも笑顔は絶えず。ギクシャクした時代があったとは想像がつかないほどだ。
抜群のコンビネーションを誇る2人が見据えるのは、もちろん東京五輪に出場し、金メダルを獲得することだ。だが、先を見過ぎても足元をすくわれるだけ。2人は「まずは一戦一戦を大切に。これまでのように1つ1つ積み重ねていきたいです」と声を揃えた。
東京五輪で女子ダブルス決勝が行われるのは8月3日。この時、表彰台の一番高いところで満面の笑みを浮かべるのが、フクヒロペアである可能性は十分だ。
(THE ANSWER編集部・佐藤 直子 / Naoko Sato)