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MLBとNFLからドラ1指名も マルチな“二刀流選手”を生み出す、米国の部活システム

最近は早くから一種目に絞る傾向も

 ただし、米国でも、最近では万能選手が減りつつあり、一種目に絞る傾向にある。トライアウトの競争の激しい学校運動部や、さらに強豪大学進学やプロを狙う生徒は、学校運動部のシーズンが終了すると、同じ種目を学校外の民間チームで行い、通年で同じ種目をするようになっている。例えば、秋には学校のサッカー部に所属するが、秋のシーズンが終われば、冬、春、夏は民間のクラブチームでサッカーを続ける生徒が増えてきている。野球なども同様だ。

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 ジム・ソープぐらい飛び抜けていれば、1年のうち3か月の活動でも、他の選手に勝てる。大谷翔平だから、メジャーリーグでも投打にわたって素晴らしいパフォーマンスができる。しかし、メジャーリーグでもどちらかに集中しなければ、生き残ることのできない選手のほうが圧倒的に多いのが現実。さらに上を目指し、競争を勝ち抜くためには、学校運動部の3か月の活動だけでは足りない。

 けれども、少年期から特定の種目に限定して活動することは、同じ動きを繰り返すことになるため、オーバーユースのリスクが高まると言われている。そういった背景もあり、米国では改めてマルチ・スポーツが推奨されている。

(谷口 輝世子 / Kiyoko Taniguchi)

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谷口 輝世子

デイリースポーツ紙で日本のプロ野球を担当。98年から米国に拠点を移しメジャーリーグを担当。2001年からフリーランスのスポーツライターに。現地に住んでいるからこそ見えてくる米国のプロスポーツ、学生スポーツ、子どものスポーツ事情を深く取材。近著に『なぜ、子どものスポーツを見ていると力が入るのか――米国発スポーツ・ペアレンティングのすすめ』(生活書院)ほか、『帝国化するメジャーリーグ』(明石書店)『子どもがひとりで遊べない国、アメリカ』(生活書院)。分担執筆『21世紀スポーツ大事典』(大修館書店)分担執筆『運動部活動の理論と実践』(大修館書店)。

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