ラグビー女子日本代表トレーナーが説く 「最も近くで選手を支える」ATCの重要性
世界レベルのアスリートを育てるためには、その選手の秘めるポテンシャルもさることながら、怪我の予防や早期のリハビリテーションなど、いかに安全管理を徹底できるかが課題になる。そのうえで、重要な役割を担うのがアスレティックトレーナー(ATC)の存在だ。
世界レベルのアスリートを育てるために…立命館大が「GATプログラム」を開始
世界レベルのアスリートを育てるためには、その選手の秘めるポテンシャルもさることながら、怪我の予防や早期のリハビリテーションなど、いかに安全管理を徹底できるかが課題になる。そのうえで、重要な役割を担うのがアスレティックトレーナー(ATC)の存在だ。
立命館大学は2017年より、日本の大学で唯一体系的に米国ATCの取得可能な「グローバル・アスレティック・トレーナー・プログラム」(GATプログラム)を立ち上げた。同大学出身で、現在は日本ラグビーフットボール協会で女子7人制ラグビー日本代表(サクラセブンズ)のコンディショニングコーディネーターを務める平井晴子氏は、卒業後に製薬会社勤務を経てアメリカに渡り、サンディエゴ州立大学でアスレティックトレーニングについて学んだ。ATCになるきっかけは、高校時代のある出来事だったという。
漠然と「スポーツを陰で支える人になりたい」とアメリカンフットボール部のマネージャーとなった平井氏。在学中、高校へ現場実習にやってきたATCとの会話から新たな選択肢を授かった。
「当時は、選手が怪我をしたときにどうやって対処したらいいか分かりませんでした。氷を渡すことしかできず、テーピングも自己流でやっていて、もどかしい毎日を送っていました。そんなとき、アメリカの大学だとこんなことを学ぶよという話を聞いて、『私がやりたいのはそれだ!』と。じゃあ、アメリカに行くしかないなと思ったのがATCを目指した始まりです」