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「五輪決勝はケンと戦いたい」 空手界に君臨する“レジェンド”と“プリンス”の物語

西村はライバルであり憧れの存在のアガイエフについて語った【写真:松橋晶子】
西村はライバルであり憧れの存在のアガイエフについて語った【写真:松橋晶子】

2016年に初対決、対戦を重ねるごとに変化した関係

「ずっとず~っと」憧れの人だったアガイエフと初対戦したのは2016年。初めて世界を制したプレミアリーグ・ハンブルク大会だった。「緊張じゃなくて、ワクワクドキドキ」したという対戦では、「僕は挑んでいくだけ、胸を借りるだけだった。今の自分の実力は世界トップにどれだけ通用するんだろうっていう気持ちでした」。会場全体も「アガイエフがどう倒すのか」という見方をする中、冷静かつ積極的な姿勢を貫いた西村は、スコアで5-0という大差をつけて勝利を収めた。

「蹴り技や投げ技も使えたので、大技といった部分は世界で通用すると確信したと同時に、突きの後に投げられる体幹の弱さを痛感しました。いろいろ勉強になって、得る物が多い試合でしたね」

 現在、直接対決の結果は6勝1敗1分けで、西村が圧倒している。初対戦した後には笑顔で握手に応じたアガイエフだったが、2回、3回、4回と西村に対する負けが込むにつれ、「だんだん喋ってくれなくなって、握手もしてくれなくなりました」。少年の頃から憧れだった人物が、いつの間にかライバルに変わっていた。

「ポッと出の10歳も年下の若造に負けてしまったことに、プライドが許さなかったんでしょうね。でも、それは僕にとってはラッキー。世界のトップが勝手に腹を立てて、冷静さを失っているわけですから」

 緊張感を持った関係に変化が生まれたのは、昨年11月にスペイン・マドリードで開催された第24回世界空手道選手権大会だった。組手75キロ級でともに3位だった西村とアガイエフは、表彰式前の控え室で隣同士に座った。

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