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「内面から出てくるんだから」 空手世界王者・西村拳が身だしなみに気を配るワケ

西村拳が身だしなみに気を配るワケとは【写真:松橋晶子】
西村拳が身だしなみに気を配るワケとは【写真:松橋晶子】

「やっぱりビシッとしている方が、女性でも男性でも素敵だと思います」

 そんな思いと裏腹に、空手界の中からは「もっと競技に専念しろ」「チャラチャラするな」という声も聞こえてくるが、「試合前の散髪は僕の中でルーティンです。そこの部分は外せません」と力強い。

「髪の毛は、試合前に必ず切りますね。子ども達が見た時に、日本代表で世界ランク1位の選手なのに髪の毛がボサボサだと格好悪いですし、空手家としても1人の男性としてもキラキラして格好いいって言われたいですから。やっぱりビシッとしている方が、女性でも男性でも素敵だと思います。そういう人間になりたい、と心掛けてやっています」

 日本人特有の相手の懐に切り込むスピーディーな突きに加え、アクロバティックで大胆な蹴りを繰り出すなど、縦横無尽の攻撃スタイルを持つ。国内外に多くのファンを持ち、海外遠征中に現地のファンから声を掛けられることも珍しくない。海外では「空手=日本」というイメージが根付く中、自身が国際試合で活躍し、注目を集めることで、空手界全体を盛り上げてメジャースポーツの仲間入りを果たしたいと願っている。

「自分だけではなく空手界みんなで盛り上げるのに越したことはない。でも、自分が勝って勝って勝って勝って、メディアで取り上げていただいて発信できればと思っています。やっぱり日本で空手を広めよう、世界で空手を広めようとなったら、しっかり結果を残さないと発言を認めてもらえない。日本代表として勝ってこそ、皆さん話に耳を傾けてくれると思うんです。空手を知って応援してくれるファンが増えれば、自分の頑張り甲斐や原動力になる。日本代表が何人もいる中、自分はより一層、他人に見られているという気持ちを持ってやっています。もちろん、決勝や勝負どころの試合前には必ず胸についた日の丸を掴んで、その重みを意識するようにしています」

 金メダル期待の候補は、戦いぶりでも身だしなみでも、空手界を牽引し続ける。

(インタビューは3日連続掲載、明日27日は西村が考える空手の「心・技・体」)

(THE ANSWER編集部・佐藤 直子 / Naoko Sato)

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