「内面から出てくるんだから」 空手世界王者・西村拳が身だしなみに気を配るワケ
開催が来年に迫った2020年東京オリンピック。1964年以来、56年ぶりに日本で開催される夏季オリンピックには、野球・ソフトボール、空手、スケートボード、スポーツクライミング、サーフィンの5競技18種目が追加された。そのうちの1つ、空手は沖縄を発祥とする日本で慣れ親しまれた武道で、来年のオリンピックでは多くのメダル獲得が期待されている。その空手界で「プリンス」とも呼ばれ、大きな注目を集めているのが、組手75キロ級の西村拳(チャンプ)だ。
空手の無骨なイメージを一蹴するクリーンな髪型とファッションで注目
開催が来年に迫った2020年東京オリンピック。1964年以来、56年ぶりに日本で開催される夏季オリンピックには、野球・ソフトボール、空手、スケートボード、スポーツクライミング、サーフィンの5競技18種目が追加された。そのうちの1つ、空手は沖縄を発祥とする日本で慣れ親しまれた武道で、来年のオリンピックでは多くのメダル獲得が期待されている。その空手界で「プリンス」とも呼ばれ、大きな注目を集めているのが、組手75キロ級の西村拳(チャンプ)だ。
空手というと、角刈りの筋骨隆々とした道着を身にまとった男性が仁王立ちする姿など、一般には無骨なイメージを抱く人が多いだろう。だが、西村はそんなステレオタイプのイメージとはかけ離れた外見を持つ。長身で細マッチョ、今どきのヘアスタイルで、私服はクリーンなカジュアルスタイル。ファッション雑誌にモデルとして登場しても不思議ではない風貌を持つと同時に、世界空手連盟(WKF)が主催する「KARATE1プレミアリーグ」の組手75キロ級では、並み居る世界の強豪の中で堂々1位にランクされている猛者なのだ(26日現在)。
「珍しいって言われますけど、髪型とか服装はよく気にする方ですね。やっぱり正直格好良く見られたいので」と照れ笑いする23歳。そもそも、身だしなみに気を配るようになったのは、自身もかつて空手を嗜んだ母親の影響だったという。
「うちの母親に『身だしなみはしっかりしなさい。髪の毛をちゃんとしなさい。服もいいものを選んでちゃんと着なさい。男の子はそういうところを見られるんだよ。まずは目から入る第一印象で決まるんだよ』って、小さい頃から結構厳しく言われてきたんです。部屋の掃除についても言われましたね。『そういうものは内面から出てくるんだから、しっかりきれいにしなさい』って育てられたので、自分はかなり几帳面で、部屋はめっちゃ掃除しますし、洗濯物の畳み方もキッチリしてますね(笑)」
子どもの頃は「え~なんで?」と思った時期もあったというが、続けていると周りの人から褒めてもらえる上に、自分自身の気が引き締まることが心地よかった。「僕もプロの空手家なので、ボサッとだらしない格好をするよりビシッと決めた方がいい。そういう生活の部分も意識してやろうと思っています」と明かすように、メディアでの露出が多い西村自身が身だしなみを整えることで、空手に対する一般の意識を変えたい思いもある。