東京五輪で躍進も? 日本に新星誕生の予感 ブレイクの香り漂う「2人の原石」
ベテラン勢の「2人の復活」にも注目「勝負にこだわりつつ、味のあるレースを」
「代表経験は浅いけど、日本記録を大幅に更新して個人メドレーに出場。世界大会デビューになるから、すごく力を入れて準備していると思います。ここが大事な試合。もし、ここでいい結果が出せれば、五輪への夢と目標も持てるようになると思います」
新星ばかりではない。伊藤氏はベテラン勢の復活にも注目を寄せている。背泳ぎの入江陵介だ。
「彼も27歳とベテランになり、米国で練習して、いい意味で変わってきました。それを感じたのが、日本選手権です。200メートル背泳ぎで萩野公介選手に負けたのですが『潔く負けられた』と言っていたのを聞いて、人間的に成長しているなと感じました。勝負にこだわりつつ、味のあるレースをしてほしいです」
女子にもいる。平泳ぎの鈴木聡美だ。
「彼女も26歳。ロンドン五輪では銀、銅を獲得しましたが、その後に一回は成績が落ち込みながら、再び上がってきています。選手としても素晴らしい。今回、注目の一人です」
新星の出現とベテランの復活――。それぞれ立場は違えど、日本競泳界を一身に背負っているのは同じ。世界を驚かせる泳ぎを期待したい。
◇伊藤 華英(いとう・はなえ)
2008年女子100m背泳ぎ日本記録を樹立し、初出場した北京五輪で8位入賞。翌年、怪我のため2009年に自由形に転向。世界選手権、アジア大会でメダルを獲得し、2012年ロンドン五輪に自由形で出場。同年10月の岐阜国体を最後に現役を退いた。引退後、ピラティスの資格取得。また、スポーツ界の環境保全を啓発・実践する「JOCオリンピック・ムーヴメントアンバサダー」としても活動中。
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ジ・アンサー編集部●文 text by The Answer