サッカー日本代表戦とテレビ中継 「結果しか伝わらない」時代を支えた選手の使命感
メキシコ五輪開幕戦を前に長沼健監督が選手にかけた言葉
「とにかく私たちの時代は、とことん結果にこだわりました。だって、それしか伝わらなかったですから」
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当時の代表選手たちは、なんとかサッカーという競技を知ってほしいという使命感に満ちていた。
八重樫は東京五輪を最後に引退するつもりだった。だが日本代表監督ながら2歳しか違わない長沼健から「アジア大会で優勝するチャンスだから、あと2年だけ頑張ってくれ」と説得され、アジア大会を3位で終えると、さらに2年間現役生活を続けることになった。
メキシコ五輪開幕戦を前に、長沼は選手たちに声をかけた。
「今は、こんなにたくさんの子供たちが応援してくれている。ありがたいもんじゃないか。その期待に絶対応えような」
銅メダル獲得で第一次ブームが到来し、日本リーグに4万人の観衆が集まることもあったが、低迷とともに人気も下降の一途を辿った。結局アマチュア時代の金字塔から、プロ創設までは四半世紀を要した。
(加部 究 / Kiwamu Kabe)