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沿道からの“予想外の声”に号泣 ケガにも泣いた19年、「もうダメかも」の迷いを消し続けられたワケ――競歩・岡田久美子

競歩日本代表として、3大会(リオデジャネイロ、東京、パリ)連続で五輪に出場した岡田久美子さん(富士通)が、「THE ANSWER」のインタビューに応じた。度重なるケガに苦しみながらも、日本選手権女子20キロ競歩7度優勝、2018年アジア大会女子20キロ競歩3位、世界選手権6大会連続代表入りの実績を積み上げ、25年11月に現役引退を表明。逆境を乗り越えて築いたキャリアや、引退後に見据えている目標などについて語った。(取材・文=長島 恭子)

「THE ANSWER」のインタビューに応じた競歩の岡田久美子【写真:松橋晶子】
「THE ANSWER」のインタビューに応じた競歩の岡田久美子【写真:松橋晶子】

競歩・岡田久美子インタビュー

 競歩日本代表として、3大会(リオデジャネイロ、東京、パリ)連続で五輪に出場した岡田久美子さん(富士通)が、「THE ANSWER」のインタビューに応じた。度重なるケガに苦しみながらも、日本選手権女子20キロ競歩7度優勝、2018年アジア大会女子20キロ競歩3位、世界選手権6大会連続代表入りの実績を積み上げ、25年11月に現役引退を表明。逆境を乗り越えて築いたキャリアや、引退後に見据えている目標などについて語った。(取材・文=長島 恭子)

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「引退」を覚悟したのは、パリ五輪の選考会を3か月後に控えた2023年秋のことだった。

 2015年の日本選手権で初優勝を飾って以降、日本のトップランナーとして走り続けた競歩の岡田久美子。2016年のリオ大会で、目標としていた五輪出場を果たすと、続く東京大会でメダル獲得、そして8位入賞を目標に女子20キロ競歩に臨んだ。しかし、結果は15位。100メートル後ろから8位の選手がゴールする姿を見ることになり、悔しさが残った。

「次のパリ大会まで頑張ろう」。岡田は24年のパリ五輪を競技人生の集大成と決め、再スタートを切った。

 事故は23年8月、世界陸上が開催されるブダペストに向かう直前に起きた。羽田空港に到着後、スーツケースを横にしようとかがんだ瞬間、体から“パシッ”という音がした。

「あ、(腰を)やったわ……と思いました。出国に向けて代表選手たちは集まっているし、すぐには誰にも伝えられなかった。そのうち腰が腫れ、冷や汗が止まらなくなり、コーチである夫(森岡紘一朗/ロンドン五輪男子競歩日本代表)とトレーナーに『やっちゃいました』と伝えました」

 現地到着後も、試合までは1週間ある。出国が迫るなかブダペストに飛ぶことを決断。急場しのぎで湿布を貼り、飛行機に乗り込んだ。

「ありがたいことにビジネスクラスだったので、席で横になれました。でも13時間のフライト中は不安で、不安で、ちょっと泣きながら、終わった……と考えていました」

 現地に到着後、すぐにドクターの診察を受けると、想像どおり腰椎捻挫を起こしていた。試合に向けて少しずつ動かすようにしていたものの、痛みは首にも伝播。「残念だけど、今回は欠場しましょう」。岡田にとってつらい決断が下された。

「一つ前の日本選手権で35キロの種目に初めて出場。日本記録を出し、世界選手権でも同種目で出場予定でした。疲労が抜けず、体のバランスを崩している感覚もありましたが、タイム的に入賞、もしかしたらメダルを狙えるかもしれないと思い、頑張っちゃったんです。でも、ちょっと体が持たなかった」

 帰国後も、体はなかなか良くならなかった。首も痛い、腰も痛い。椅子に座ることさえできず、日常生活もままならなかった。「あぁ、何にもできない」。パリ五輪の選考レースが3か月後に迫るなか、体は一向に改善する気配がない。岡田はついに「引退」を考えた。

「『もう競技はできないかもしれない』『引退したい』と、泣きながら夫に何度も訴えました。夫は辛抱強く、『辞めるという選択はいつでもできる。もう少し頑張ってみようよ』と話をしてくれた。そのおかげで段々と落ち着き、前を向くことができました」

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長島 恭子

編集・ライター。サッカー専門誌を経てフリーランスに。人物インタビュー、ヘルスケア、ダイエット、トレーニングの分野を軸に、雑誌、書籍等で編集・執筆を行う。担当書籍に『すごい股関節』『世界一伸びるストレッチ』(中野ジェームズ修一著)など。

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