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野球で変わる日韓関係「たくさん話をできるように…」 日本人にグラブをあげた韓国右腕の願い「学びたいんです」

韓国プロ野球に日本の文化が流入?「たくさん話をできるようになれば…」

 パク・ヨンヒョンは「僕も日本の文化がすごく好きなんです。日本の野球は昔から見てきましたし、こういうドーム球場で投げることもすごく意味がある。日本の選手を相手にすることも楽しいので」と口にする。実際に日本人選手とチームメートになると、発見の連続だった。

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 杉本は今季韓国プロ野球が採用した「アジア枠」でKT入りした投手。NPB経験はない。それでも、投げているボールには目を見張った。「独立リーグ出身だと聞いて、本当に驚いたんです。『えっ、こんな投手がいるの?』って。いいボールを持っていますし、韓国プロ野球で力を証明できたらいいなと思っています」。近年、韓国のプロ野球選手は高卒でドラフト指名を受けるケースが大半。大学からプロに進む選手すら少なく、遅咲きの道はないに等しい。レベルの高い投手が埋もれている現実は衝撃だった。

 アジア枠は各球団1人。10人のうち、7人を日本人選手が占めた。これだけ多くの選手が、一度に日本の野球文化を持ち込む。パク・ヨンヒョンにはひとつの期待があるという。

「日本の選手とたくさん話をできるようになれば、日本と韓国の文化の違いが見えると思うんです。トレーニング方法もそうですし、投球の考え方も。そういうことを学んでみたいんです」

 7日に東京ドームで行われた日韓戦。パク・ヨンヒョンは7回から登板し2/3回を2失点。大谷との対戦を前にベンチは申告敬遠を告げ、マウンドを降りた。「韓国と少し違う雰囲気がありました。(応援に)楽器を使うじゃないですか。あとこういう大きな球場が各地にありますよね。韓国には5万人入るような球場はありません。こういう球場にファンがぎっしり埋まって、そこで投げると感覚が違ったんです。とても楽しくて……」。チームは6-8で敗れたが、今後につながる経験を手にした。

 プロ野球選手がぶつかる日韓代表戦の歴史は、そう長くない。1999年のシドニー五輪予選から四半世紀ほどだ。その中で試合後の空気は、どんどん変わってきた。かつて日韓戦で敗れた韓国代表は、重苦しい空気の中、報道陣に口を開かず球場を後にした。それが今の現役世代は、感じたことをストレートに言葉に乗せる。両国の野球の違いはどこにあり、何が優れているのか。感じ、表現することで、野球の進化は進んでいく。

◇ ◇ ◇

 第6回ワールド・ベースボール・クラシック(WBC)はベネズエラの初優勝で幕を閉じた。2006年に第1回が行われてから20年、過去3回優勝した日本の強さが世界に認められる一方、国際大会を通じて世界の野球の距離は着実に縮まってきている。「THE ANSWER」では大会期間中「ベースボールの現在地」と題し、選手やスタッフが“国際野球”に挑む思いを伝える。他の種目と競技人口を比較すれば、マイナーと言われることもある野球。ただ世界中に、このゲームを愛する人がいる。注目される数年に一度の機会だからこそ、世界の野球の今を知り、ともに未来を考えるきっかけを作る。

(THE ANSWER編集部・羽鳥 慶太 / Keita Hatori)

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