BOXカメラマンが異例の海外専門誌の表紙に “パンチを予見”福田直樹氏の極意とは
ボクシングカメラマンの福田直樹氏が、メキシコ唯一のボクシング雑誌「BOX WORLD」(5・6月号)で表紙を飾ることになった。選手ではなく、カメラマンが表紙になるのは世界的にも極めて異例。“パンチを予見する”と呼ばれる決定的瞬間を逃さない極意を聞いた。
メキシコ唯一のボクシング雑誌「BOX WORLD」で異例の表紙抜擢
ボクシングカメラマンの福田直樹氏が、メキシコ唯一のボクシング雑誌「BOX WORLD」(5・6月号)で表紙を飾ることになった。選手ではなく、カメラマンが表紙になるのは世界的にも極めて異例。“パンチを予見する”と呼ばれる決定的瞬間を逃さない極意を聞いた。
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福田氏は、15年間の米国生活でボクシングを取材。2010年に全米ボクシング記者協会(BWAA)の最優秀写真賞を日本人として初めて受賞するなど、同賞を合計で4度受賞した。2012年度にはWBCの「フォトグラファー・オブ・ザ・イヤー」にも輝いた。米国で最も権威があるとされるボクシング雑誌「ザ・リング」で特集され、同誌でメインカメラマンを務めていた経験もある。
4月にも昨年12月の全日本新人王で撮影した1枚が、BWAAのフィーチャー部門佳作賞を受賞したばかり。授賞式出席で5月末に渡米する前、「BOX WORLD」誌から自身が表紙を飾る旨の連絡を受けたという。「実績を評価していただいた。普段は裏方としてやっているので、驚きました」。
取材も受け、記事では福田氏の子供の頃の写真や経歴などを巻頭カラーで3ページに渡って紹介。授賞式前後に表紙の撮影に臨み「ちょっと恥ずかしかったですね。普段は逆なので」と、撮られる側となったことに照れ笑いを浮かべた。
一瞬で勝負が決まるボクシング。素人には見分けることが困難な速さで繰り出される一撃も、“パンチを予見する男”と称される技術で写真に収めてきた。ボクシングファンのみならず、選手や関係者からも高い評価を受けている福田氏。ボクシングを撮影する際に、大事にすること、意識するポイントがあるという。
「大事なのは、パンチの当たる瞬間で両者の顔が見えるもの。それが試合の決め手になったパンチであればいい。意識するのは、普通は撮りたい選手の初動に合わせるけど、僕は打たれる側の隙、空いた部分を見ています。それを見て、(シャッターチャンスを)先回りして撮る。他の人はわかりませんが、僕はそうしています」