ラグビーW杯24か国制の“罠” 3戦連続中5日、日程明らかに…日本に訪れる「超タフな7日間」の戦略
今後の注目は代表選考…“選外”からアピールする選手は出てくるか
3日に確定したプール戦試合会場についても触れておこう。サモアと“開幕戦”を行うニューカッスルは、シドニーから海岸沿いに160km北に位置する都市で、エディーによると「オーストラリアの中でも非常にラグビーが盛んな場所」だという。スタジアムは、通常リーグラグビーを主にサッカー・Aリーグの開催が中心だが、スーパーラグビー・ワラタスが主催ゲームを行うなど15人制の試合開催の実績もある。座席数3万人とミッドクラスのフットボールスタジアムで、観戦するには臨場感のある最適の規模だろう。
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フランス戦の会場は通常「サンコープスタジアム」と呼ばれる、スーパーラグビー・レッズの本拠地。ブリスベン中心地から徒歩で行ける位置にあり、2003年W杯を始めスーパーラグビー等の取材で何度も訪れたが、5万席を超える収容力を持ちながらコンパクトな設計により巨大スタジアムの中では観戦し易いのも特徴だ。アメリカ戦が行われるアデレード・オーバルは、クリケットの殿堂で、ブリスベン同様5万席超のキャパシティを誇る。町の中心部からも徒歩圏内で、オーストラリアン・フットボールでも使用されるが、名称通り楕円状のピッチを持つため、センターライン付近が最も観客席とピッチに距離があるのも特徴。エディーは「速いゲーム展開になる」と、クリケット用の硬めのピッチは日本向きと指摘するが、本人にとってはオーストラリア代表を率いた2003年大会でナミビアを142-0と圧倒した会場でもある。
会見で大会期間の強化拠点についても指揮官に聞いてみると、従来の大会とは異なるプランを明かしている。
「2023年のフランス大会ではトレーニングベース(拠点)があって、そこから様々な試合会場に出向いていたが、次の大会はおそらく試合会場から次の会場へ移動していくことで、1箇所に集中的なベースは作らないと考えています。なので、試合をする各都市で、滞在するホテルはどこか、練習会場はどこが一番いいのかというセットアップの所もしっかりと考えていく必要があると思う」
プール戦が3試合に減り、その試合期間も短くなったことで、拠点を作らず、チームは試合毎に移動していくことになりそうだ。
今回の日程発表の1日前には、エディーは「代表候補」として55人の選手を発表している。6月まで合宿等の代表としての活動がない中で異例の発表になったが、指揮官はこう説明した。
「だいぶ大人数のスコッドになったが、ここからリーグワンの残りのシーズンで選ばれた選手たちをしっかりと見ていきたい。今回に限らず、こうしたすこし多めのスコッドを早い段階で発表するのはメリットがあると思います。選ばれた選手もですが、選ばれていない選手にも、自分が今どう見られているのかをはっきりと可視化して、今までよりも努力していかなければならないという意識が芽生えると考えています」
2月3日の時点で、選手たちに自分がどんな立ち位置に居るのかを明確にしたいというのが、敢えて“オフシーズン”にスコッドを発表した主旨なのだが、エディーが語ったように、選ばれてない選手たちに奮起を促すのも大きな狙いだ。1月30日には23歳以下を対象とした「ジャパン・タレント・スコッド(JTS)プログラム」対象選手およびとトレーニングスコッド(練習生)合計42人も発表され、今後合宿やU23日本代表としてオーストラリア遠征も組まれている。さらに若いU20代表も世界大会への準備を始めようとしている。
年齢に関わらず、100人近い2つのメンバーリストに名前がなかった選手は、現状維持では代表入りは容易ではない。何を上乗せして代表コーチ陣にアピール出来るのかを考えていく必要があるというエディーからのメッセージだ。代表候補メンバー発表のリリースに「現時点での代表候補メンバーで、今後リーグワンでのパフォーマンス、コンディションなどで今回含まれていない選手が選出される可能性がある」という“但し書き”があるのも、選外選手を意図したものだ。中盤~後半戦へと進んでいくリーグワンで評価を上げる選手、下げる選手もいるだろうが、今夏の代表セレクションは既にスタートしているのだ。
日本代表候補発表時に「門戸は開かれている」というメッセージは発せられていても、昨秋の代表戦後のコラムでも書いたように、当時のメンバーを中心とした日本代表のコアの顔ぶれは、7割ほどは固まっていると考えていいだろう。55人の候補メンバーも、昨秋のメンバーを軸に、数人の新たな顔ぶれが加えられている。
個人的には、既にコベルコ神戸スティーラーズでアーリーエントリー選手としてリーグワンデビューを果たしたSO/FB上ノ坊駿介(天理大学4年)が、どのカテゴリーの候補にも入っていないのが残念だが、190cm、93kgのサイズながらバックローとしては異次元のスピードを持つ中森真翔(筑波大2年)など、ポテンシャルを秘めた若手もリストに入っている。新たな可能性組がどこまでコアメンバーに食い込むことが出来るか、そしてリーグ戦が5月まで続くリーグワンで、どこまで“選外”からアピールする選手が出てくるかが見ものになる。
【日本代表の今季試合日程】
■6/27 マオリオールブラックス/愛知・瑞穂
※ノンテストマッチ(ジャパンXVで対戦)
■7/4 イタリア(世界ランク9位)/会場未定(都内)
※ネーションズチャンピオンシップ
■7/16 フランス(世界ランク4位)/東京・国立
※ネーションズチャンピオンシップ
■8/8 オーストラリア(世界ランク7位)/東大阪・花園
■8/15 オーストラリア(世界ランク7位)/タウンズビル
※オーストラリア協会発表の試合
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