「僕はいつも準々決勝どまり」― 錦織が越えられない“8強の壁”、自覚する課題とは
錦織が自覚する、克服すべき課題「3セットで終わるように努力しなければ」
この大会中も、勝負が第5セットまでもつれた時に見せる錦織の粘りにスポットライトが当てられた。実際、5セットマッチは23勝6敗と圧勝。最後まで諦めずに勝ちきる姿は称賛されるべきだが、今年のジェレ戦とペール戦は第5セットより前に勝てた試合だった。自分よりランキングが下の選手を相手に畳みかけられず、自ら第5セットに持ち込んでしまっている。
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会見で海外メディアから第5セットの勝負強さに関する質問が飛ぶと、錦織は英語で自身の課題について触れた。
「3セットで終わるように努力しなければいけない。僕が、テニスの技術面でも精神面でも、まだまだ足りないということなのかも。努力し続ける、それだけです。それというのも、僕はグランドスラムでいつも準々決勝止まり。簡単じゃないと分かっているけど、次の目標は準決勝や決勝に進むこと。トップ4に入る選手を倒すことは一筋縄ではいかないけれど、トライし続けます」
勝負は時の運であり、相手があってのものだが、ファイナルセットに行く前に勝負を決められたこと、長いトーナメントを勝ち進むには体力を無駄遣いしすぎていることは、錦織本人が一番良く分かっている。
スポーツ選手は30歳を迎える頃に、身体や体力の変化を感じることが多いという。年齢が上がれば、今以上にフルセットで戦うことは厳しくなる。12月にやってくる30歳の誕生日を前に、より体力を温存できる勝ち方を見つけ出しておきたい。
(THE ANSWER編集部・佐藤 直子 / Naoko Sato)