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ラグビー界に衝撃が走った譲渡劇 激動4か月の内幕、候補8社から「NEC→JR東日本」はこうして決まった

浮上した受け入れ候補企業8社 決め手となったものは…

「これは条件ではなく、あくまで希望ということですが、会社(NEC)側からもどういったものが最低でも必要なのかを聞かれたときに、千葉・我孫子の練習環境やスタジアム(柏の葉公園総合競技場)というのはやはり継続して使いたいということはお伝えしました。クラブハウスなどの環境はディビジョン1のチームとも遜色ない。そういう要望を移譲の話し合いでも是非出していただきたいとお願いしました」

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 12月に行われたNEC、JR東日本双方合同の会見でも、太田GMの願い通り現行の練習場をNECから借り受ける形で継続使用すること、ホストスタジアムも柏の葉という現状維持の原則は説明されている。リーグワンでも理事を務めた太田は、こう力説する。

「スタジアム問題が難しいのは十分承知しています。リーグワンは発足から5シーズン目ですけれど、どのチームもスタジアムの確保は深刻な問題です。もしリーグが検討する秋冬開催が実現すれば、さらに試合会場確保が難しくなる可能性もある。でも、今の柏の葉なら優先的に使える状況です。そんな施設はワイルドナイツの熊谷やライナーズの花園くらいです。だから、どうしても現在の環境を維持したかった」

 実際にJR東日本の傘下で始動するのは今季終了後だ。そこからチーム運営面でも様々な修正、改変はあるだろうが、会見でも受け入れ先の柔軟な対応が印象に残った。その中でも、選手と家族の生活面を考えれば地域性の継承は大きなプラス材料だった。看板は掛け替えても活動自体は従来からの継続という形で来シーズンを迎えることになる。GMとしても、長らく我孫子でラグビーに携わって来た立場での希望や必要性を訴え続けてきたことが実現したことは、大きなプラス材料と受け止めている。

「NECサイドも、チームを手離して終わりじゃなくて、グラウンドを提供することも含めてチームの応援はしていただける可能性はある。ジャージーやチームの愛称(グリーンロケッツ)も変わるかもしれないが、この先も関係が続くようなら有難いことです」

 選手ファーストで訴えた要望ではあったが、グリーンロケッツの黄金時代を築き、チーム内外で苦闘の時も知るからこその思いも強い。取材する中でも8社ほどの受け入れ候補企業が浮上する中で、最終的には5社程度が有力候補として残ったと聞いていた。中には、他競技の人気プロチームを保有する企業の名もあったが、JR東日本が熱意とチーム受け入れの柔軟性、企業力が決定材料になった。

「チームへの理解もですが、私たちが東葛地域の自治体と結んでいる協定も含めて引き継いでいただけるという方向性も有難いお話でした。チームのOB達にとっても寂しいじゃないですか、帰って来る場所がないなんてね。なので、譲渡という中では最良の結果になったと個人的には感じています」

 グリーンロケッツとしてはまさに九死に一生を得たような移譲問題だったが、リーグ側の運営にも携わった経験を持つ太田GMは、今回のケースがリーグ全体への警鐘だとも受け止めている。

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吉田 宏

サンケイスポーツ紙で1995年からラグビー担当となり、担当記者1人の時代も含めて20年以上に渡り365日欠かさずラグビー情報を掲載し続けた。1996年アトランタ五輪でのサッカー日本代表のブラジル撃破と2015年ラグビーW杯の南アフリカ戦勝利という、歴史に残る番狂わせ2試合を現場記者として取材。2019年4月から、フリーランスのラグビーライターとして取材を続けている。長い担当記者として培った人脈や情報網を生かし、向井昭吾、ジョン・カーワン、エディー・ジョーンズら歴代の日本代表指導者人事などをスクープ。ラグビーW杯は1999、2003、07、11、15、19、23年と7大会連続で取材。

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