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ラグビー界に衝撃が走った譲渡劇 激動4か月の内幕、候補8社から「NEC→JR東日本」はこうして決まった

“条件提示”を待つ社員選手・大和田立の胸中「僕個人の思いとしては…」

 前編で話を聞いた大和田にとっても重要な話になるが、本人はこんな思いで“条件提示”を待っている。

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「先ずは譲渡先さんの考え方ですね。社員契約でやれるのか、やれるなら今の業務が続けられるのか、出向なのか。僕個人の思いとしては、従来通り仕事とラグビーを両立してやっていきたいという気持ちです」

 前編でも紹介した通り、NECでの職場への思いや、一緒に仕事をする仲間への感謝、そして口にはしないが仕事への誇りと、強い思いを持つ大和田には、現在の仕事を続けながら新体制のチームでの挑戦というのが最上のシナリオだろう。

「先ずは現状の我孫子でチームが活動出来ることが何よりもありがたい事です。仕事のことはこれからですね」

 そう笑った大和田だが高校1年生から憧れ、愛してきた「NECグリーンロケッツ」としてのラストシーズンへの思いも特別だ。

「目指すのはやはりディビジョン2優勝とディビジョン1昇格。ここは本当に達成したい目標です。ここまで結果が出せなかったことで移譲という形になってしまった。なのでJR東日本さんにはしっかりと結果も見せていかないといけないと思うので、そこにこだわってやっていきたい」

 1月14日で34歳の齢を迎えた大和田だが、美幌町で雪原を踏みしめて鍛えられた体は、まだ十分に戦力として計算出来る。そして、「美幌」と書かれたヘッドキャップが象徴する周囲への感謝の思い、その有難みを受けとめる感性が為す、黙々と仕事を全うしようという真摯な姿は、フィールドでも職場でも誰からも信頼を置かれる存在だ。事業化や華々しいプロ契約選手にスポットが当てられがちなラグビー界だ。大和田のような社員選手は時代遅れのようにも見られがちだが、海外トップ選手の流入が加速する中で、日本で生まれ育った選手たちの選択肢として、その一途な足跡は一つのロードマップでもある。

 JR東日本は、母体だった国鉄が1925年に当時の鉄道省にラグビー部が誕生してから100年という歴史も持つ。鉄道マンとして働きながら、楕円球を追い続けたOBも大勢いる。この巨大企業の傘下で、社業とラグビーに誇りを持って戦ってきた大和田が、どんな新たな足跡を踏みしめるのか。「美幌キャップ」の新天地での挑戦に注目したい。

(吉田 宏 / Hiroshi Yoshida)

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吉田 宏

サンケイスポーツ紙で1995年からラグビー担当となり、担当記者1人の時代も含めて20年以上に渡り365日欠かさずラグビー情報を掲載し続けた。1996年アトランタ五輪でのサッカー日本代表のブラジル撃破と2015年ラグビーW杯の南アフリカ戦勝利という、歴史に残る番狂わせ2試合を現場記者として取材。2019年4月から、フリーランスのラグビーライターとして取材を続けている。長い担当記者として培った人脈や情報網を生かし、向井昭吾、ジョン・カーワン、エディー・ジョーンズら歴代の日本代表指導者人事などをスクープ。ラグビーW杯は1999、2003、07、11、15、19、23年と7大会連続で取材。

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