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W杯まで2年…ラグビー日本代表の“真の現在地” 足りない「23人の総合力」、起こる選手拘束の綱引き

永友TD(左)と会見するエディーHC、代表とW杯への強い意志と決意を求めている【写真:吉田宏】
永友TD(左)と会見するエディーHC、代表とW杯への強い意志と決意を求めている【写真:吉田宏】

エディーが求めるのは代表とW杯への強い意志と決意

 選手に目を向けると、このメンタル面のコンディショニングを考えさせられる言葉も耳にした。23年まで代表でも活躍した選手に数週間前に話を聞く機会があったが、今後の代表復帰について「戻りたい気持ちはある。これから考えていきたい」という言葉に引っかかるものがあった。エディーが選手に求めるマインドセットは、2015年W杯当時もそうだったが、人生の全てを犠牲にしてでも代表で戦いたい、世界トップクラスの強豪に勝ちたいという強い意志だ。

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 それは若手でもベテランでも同等なものが求められるべきだろう。たとえ実績がある選手でも、身体的なコンディションと同時に、生半可な気持ちではなく、本気で代表で戦いたいというマインドセットが不十分なまま代表チームに参加することが、その選手にとってもチームにとってもプラスにはならないことは明らかだ。永友TDも語ったように、メンタル面でも「どうしても代表でプレーしたい、W杯に挑みたい」という強い意志と決意がなければ、どんな実績を持った選手もエディージャパンには選ばれないだろう。

 勿論、23年までに代表で活躍した名前が、来季以降のメンバーリストに戻ってくる可能性は0ではない。実際に何人の“元代表”が復活を果たすかは未知数だが、永友TDはこう指摘する。

「コンディションの問題で呼びたくても呼べない選手はいます。そこの部分は所属チーム、選手にも意識してもらいたいと思っています。私自身がキーと考えるのは、経験ある選手たちがどこまで競争に加わってもらえるのか、それに加えてエリジビリティー(居住資格)で代表資格をこれから取得出来る海外出身の選手たちです。そういう選手たちを、どう今の代表メンバーたちと融合させるかが、セレクションのポイントとして重要になってくるかなと考えています」

 ここまでの2シーズンで、コアになるメンバーは固まりつつある。秋のツアーまでのメンバーのパフォーマンス(実力)をレビューした上で、これから代表資格の条件をクリアする外国人選手との兼ね合いも含めて、復帰するベテラン勢の人数も変わって来るだろう。

 では、この先の代表活動の中でTDという立場で重視、取り組んでいくものは何か。後編ではマネジメント責任者としての、選手、コーチや、若手育成に対しての環境整備を中心に話を聞く。

(吉田 宏 / Hiroshi Yoshida)

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吉田 宏

サンケイスポーツ紙で1995年からラグビー担当となり、担当記者1人の時代も含めて20年以上に渡り365日欠かさずラグビー情報を掲載し続けた。1996年アトランタ五輪でのサッカー日本代表のブラジル撃破と2015年ラグビーW杯の南アフリカ戦勝利という、歴史に残る番狂わせ2試合を現場記者として取材。2019年4月から、フリーランスのラグビーライターとして取材を続けている。長い担当記者として培った人脈や情報網を生かし、向井昭吾、ジョン・カーワン、エディー・ジョーンズら歴代の日本代表指導者人事などをスクープ。ラグビーW杯は1999、2003、07、11、15、19、23年と7大会連続で取材。

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