W杯まで2年…ラグビー日本代表の“真の現在地” 足りない「23人の総合力」、起こる選手拘束の綱引き
2027年ラグビーワールドカップ(W杯)オーストラリア大会の組み合わせも確定するなど、2年後の挑戦へ向けての機運が高まる中で、日本代表の永友洋司チームディレクター(TD)に話を聞いた。エディー・ジョーンズ・ヘッドコーチ(HC)就任を受けてチーム運営面のトップに就任。共にサントリー(現東京サントリーサンゴリアス)でコーチ、選手として戦ってきたが、HCをサポートしながらも、日本ラグビー協会(JRFU)側の利益代表という役目も担う。チームマネジメントのキーマンという視点で、この2シーズンの取り組みをどう評価するのか。2年を切ったW杯へ向けたチームの課題と可能性を聞いた。(取材・文=吉田 宏)

日本代表の永友洋司TDインタビュー前編
2027年ラグビーワールドカップ(W杯)オーストラリア大会の組み合わせも確定するなど、2年後の挑戦へ向けての機運が高まる中で、日本代表の永友洋司チームディレクター(TD)に話を聞いた。エディー・ジョーンズ・ヘッドコーチ(HC)就任を受けてチーム運営面のトップに就任。共にサントリー(現東京サントリーサンゴリアス)でコーチ、選手として戦ってきたが、HCをサポートしながらも、日本ラグビー協会(JRFU)側の利益代表という役目も担う。チームマネジメントのキーマンという視点で、この2シーズンの取り組みをどう評価するのか。2年を切ったW杯へ向けたチームの課題と可能性を聞いた。(取材・文=吉田 宏)
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秋のテストマッチシリーズは通算1勝4敗。エディー体制2シーズンの締め括りは、最終戦で世界ランキングわずか1つ上のジョージアにかろうじて勝ち越せた戦いぶりを、サントリー、キヤノンで自身も陣頭指揮を執った経験を持つ永友TDは、こう総括する。
「秋に関しては、結果だけみると厳しいものでした。ただ、この2年を振り返ると、昨季に続き層の厚さ、底上げというところでは、選手が(首脳陣の)信頼を勝ち得て、こちらも自信を持ってテストマッチに送り出すことが出来るようになってきています。そういう意味では、この2シーズンの収穫は大きかったと思います。これからの2年は、勝敗は勿論ですが、それ以上に2027年(W杯)へ向けたプロセスが非常に大事になると思います」
「プロセス」の中にマネジメントトップのタスクが数多くある。秋のゲームに限れば、対戦相手が全て世界ランキング上位という中で力の差を見せつけられた戦いと、勝ちかけながら勝利を逃す試合が続いた。その一方で、エディーもシーズン総括会見で「60から70%程のスコッドが固まってきた」と語った選手のセレクション、そして若いメンバーたちの経験値アップという面では、TD自身も手応えを感じている。だが、ポジティブな側面を挙げながらも、言葉を続けて「これから」への課題も付け加えた。
「ヨーロッパでは非常に強い相手との戦いが続いた中で、怪我人に関してはメディカルスタッフ中心によく選手をサポートしてくれた。怪我に関しては筋肉系のものが少なかったのは、スタッフのおかげだと思います。けれども、やはり(試合での)コンタクトによる怪我というのは、これからも起こり得るものです。特にティア1(世界トップ10内の強豪グループ)のトップ4クラスと戦っていくには、強度の高い練習を組み入れる必要がある。そこが、これからの課題だと考えています」
オーストラリア戦から始まった秋のテストシリーズでは、10月の合宿スタートからのチーム離脱選手は16人を数えた。中には個人的な理由の選手もいたが、世界トップクラスのテストマッチではフィジカル面の強度が上がり続けていることも影響して、日本にとっては負傷による離脱者の数がこの先も大きなリスクになる可能性は高い。遠征初戦となったロンドン・ウェンブリーでの南アフリカ戦を直接観戦しても、目の当たりにしたのは、フィジカル面を中心とした世界ナンバーワンチームとの明白な実力差だった。どう日本選手のフィジカリティーを上げていくかという宿題が、来季、そして2027年へ向けて突き付けられたツアーでもあった。
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