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箱根5区に「神様を作りたくない」 考える選手の将来…“5強”以外で警戒される伏兵の独自戦略――帝京大・中野孝行監督

5強で特に強さを感じたチーム「2区を誰が走るのか、気になります」

――今回の箱根は、どんなレースになるのか、予想をしていますか。

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「どこのチームも往路は最初から突っ込むでしょう。そうなると、1区2区3区を一区間と考えて、あとは山ですね。5区について言えば、うちは神様を作りたくないんです。作れば勝てるかもしれないけど、私はその選手の将来のことを考え、どこでも走れる強い選手を作るのが理想なので、5区を任された選手は自分の力を発揮してもらうだけで十分です。うちは復路で前を抜いていくことができたらおもしろいと考えているので、そうなると6区、7区が重要になります。全日本のように箱根もつなぎ区間という考え方はなくなり、どの区間でもエースを置くようになるんじゃないかなと思います」

――5強と言われている中で、今季、特に強さを感じたチームは、どこになりますか。

「中央大です。中央大が勝つためには5区が重要ですし、私なら職人気質の溜池(一太)君(4年)を5区に置きますね。藤原監督は溜池君を2区に置くと断言しましたが、2区ですとタイム差を広げるのが難しいと思うんです。でも、5区に入れば、2区以上の貯金を作ることができると思うんです。そのために2区は吉居(駿恭)君(4年)で耐えて、5区の溜池君で勝負する方が面白いかなと思ったのですが、実際のレースでどうなるか、ですね」

――帝京大としては、最終目標は箱根駅伝総合優勝でしょうか。

「チャンピオンシップのかかったスポーツをしている以上、最終的に勝つことを目標にしたいです。うちは、連続出場記録でいうと今19年で5番目(日体大:78年、駒澤大:60年、早大:50年、東洋大:24年)なんです。でも、うちだけ優勝していないんですよ。相手のいる勝負事ですし、簡単には優勝はさせてくれないですよね。今回の箱根は負けないレースをしたいと思っています。各区間で選手は負けなければ自然と順位が上がってくる。そのために選手が求めていることをやれるように、また彼らをあと一押しできるような手伝いができれば、目標である5強崩しが見えてくると思っています」

(佐藤 俊 / Shun Sato)

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佐藤 俊

1963年生まれ。青山学院大学経営学部を卒業後、出版社勤務を経て1993年にフリーランスとして独立。W杯や五輪を現地取材するなどサッカーを中心に追いながら、大学駅伝などの陸上競技や卓球、伝統芸能まで幅広く執筆する。『箱根0区を駆ける者たち』(幻冬舎)、『学ぶ人 宮本恒靖』(文藝春秋)、『越境フットボーラー』(角川書店)、『箱根奪取』(集英社)など著書多数。2019年からは自ら本格的にマラソンを始め、記録更新を追い求めている。

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