箱根5区に「神様を作りたくない」 考える選手の将来…“5強”以外で警戒される伏兵の独自戦略――帝京大・中野孝行監督

他校から警戒する声も…課題は「うちは大砲がいない」
――楠岡選手は、今季、好調ですね。
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「楠岡は1年生の時、放牧していたんです。やりたいことがある中、どのくらいやるのかを見ていました。当時は、暑かろうが寒かろうが練習後はアイシングをしていて、必要ないんじゃないかって思う時もあったんです。そうしたら今年の春からあまりしなくなった。体が出来てきて、ケアも日常的にこなせるようになったのでアイシングが必ずしも必要じゃなくなったんだと思います。夏には1000キロ以上を走り、タフになりました。また、常に自分で考えて練習をして、自分の体の状態やコンディションを理解できるようになった。走ることにプラス、そういう面が充実したことで競技力が上がったと思います」
――全日本の6位、楠岡選手を始め、個々の選手のレベルアップが顕著で、ここにきて他大学がかなり帝京大を警戒するような声が聞こえてきます。
「いや、それは社交辞令ですよ(笑)。そう言ってもらえるのは嬉しいですが、そういう時、うちは本番がダメなので。ただ、主力に加え、4年生の藤本(雄大)の調子が上がって来ていますし、1年生の雪田(圭将)もおもしろい。故障で継続して練習が出来ていなかったので、どうかなって思っていたら上尾ハーフでひとりで押していって62分30秒を出した。ここにきて選手層が少し厚くなってきたなと思います。でも、うちは大砲がいないんですよ。うちの学生も含めて最近の学生は流れに乗らないと力を発揮できないので、ひとりで流れを変えられる瀬古(利彦)さんや渡辺康幸さんのような選手が出てきてほしいですが、なかなか難しい」
第102回箱根駅伝は、記録会などで好タイムが続出し、かなり高速化すると言われている。それだけに区間配置など監督の采配が例年以上に重みを増してくる。
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