友野一希、人生最大の挫折を救った30分間 「なんでやらへんのや」恩師と熱い激論、集大成の全日本へ

「集大成」と位置づける五輪イヤー「気持ちを全部背負ってやるつもり」
勝負の五輪イヤーを「集大成」と位置づける。歳を重ねるごとに、強まる思いがある。
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「一番はやっぱり、自分がやりたいことに向かって集中。それが応援してくださっている方へ一番の恩返しになると思います。苦しい結果で終わった時も、自分が知らないところでいろんな方が応援してくださっている。もう自分のオリンピックは、自分だけのものではない。コーチも同じ気持ちで一緒に進んでくださっているので、気持ちを全部背負ってやるつもりで今はやっています。
でも、周りからのプレッシャーはなく、ただただ自分の目標がオリンピックだからっていうのは一番大きいと思います。自分の気持ちが強くなったからこそ、周りもすごく応援してくれてるのかな。自分から発せられる何かが伝わっている部分もあると思いますし、自分で決めて、それを進んでいくうちに(周囲のためにという思いが)気づけば出ていたというのはあります」
勝負の全日本へ、今の思いは「とにかく燃え尽きたい」。スケートアメリカで一度は沈んだメンタルも、日を追うごとにエネルギーを帯びている。
「悔しさを全日本にぶつける気持ち。あとはとにかく自分が理想とする姿、いい結果を常にイメージしながら。とにかく一日一日が戦いだと思っています」
思考がクリアになった今、全日本で見せたい「友野一希の演技」はどんなものか。
「生き様というか、スケートと向き合ってきた時間を見せることができればいいなと思います。何か刻めるくらい、一日一日が見えるような演技をすることが目標。『応援しててよかった』と思ってもらえるように、でも一番は自分のために。何かしらの形で全部返ってくると思う。やってきたことは間違ってないと思うし、やりきる姿を見てもらいたいなと思います」
音楽と一体となる表現力、才能豊かなスケーティングなど、唯一無二の世界観で国内外問わず人気を誇る。愛される友野が、足りないと感じているのは競技者としての強さ、そして結果だ。「やっぱり結果を残してこそ。目標としてそういった部分が強くなってきている」。決戦の地は東京・代々木第一体育館。360度から注がれる拍手を思い浮かべながら、友野は今日も氷上に立っている。
■友野一希(ともの・かずき)
1998年5月15日、大阪府出身の27歳。シニアデビューとなった2017-2018シーズンの全日本選手権で4位、世界選手権でも5位入賞を果たす。21-22年シーズンの四大陸選手権で2位、22-23年シーズンの全日本選手権で3位など、長らく第一線で活躍してきた。現在は地元・大阪に本社を構える第一住建グループに所属。趣味はサウナ、読書。
(THE ANSWER編集部・宮内 宏哉 / Hiroya Miyauchi)
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