友野一希、人生最大の挫折を救った30分間 「なんでやらへんのや」恩師と熱い激論、集大成の全日本へ

マイナスの感情を外に放出「先生が膿を全部出してくれた」
「先生が『大丈夫か』とは言わず、シンプルにパッと言ってくださって。それが自分にとってよかった。(感情を)より引き出してくれて、すぐにモチベーションに変わったので。膿を全部出してくれた感じです」
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マイナスの感情を外に放出でき、次にどうすべきかを考えられた。大事な五輪シーズン。切符をつかむには、全日本選手権で好成績を残すしかない。行きついたのは「失敗の恐怖」と戦う練習の必要性だ。
どれだけいい練習を積み、調子が良くても、試合で何が起きるかは分からない。その怖さを痛いほど味わってきた。だからこそどんな状況で本番を迎えても揺るがない「自信」が大切。そう結論付けた。
「試合より難しい状況を作り出すじゃないですけど、練習に入ってすぐ試合と同じような形で曲をかけて、今どれだけそういう状況でもできるか把握したうえで、もう一回練習し直したり。失敗の確率が上がっている状況でも、しっかり自信を持って一回一回のプログラムでやりきる。そういう意識を常に持っています」
現時点でGPファイナル出場の鍵山優真、佐藤駿が五輪代表争いを一歩リード。友野は熾烈な3枠目争いを視野に入れて臨むことになる。
以前は「頭になかった」という夢舞台。意識が変わったのは22年の世界選手権だ。SPで自身初の100点超えとなる101.12点で3位。フリーで得点を伸ばせず総合6位だったが、初めて五輪を現実的な目標にできるきっかけとなった。
友野はミラノを「シニアに上がってからのスケート人生のはじまり」の地と表現する。初出場の18年世界選手権で5位に入った思い出深い場所。26年五輪も同じ舞台で開催されることに、不思議な縁を感じた。「これは何かあるな、絶対にやらないといけない」。そんな思いも芽生えていた。
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