ラグビーW杯、日本の“最適解”は…1位より「2位通過(2勝1敗)」 悲願4強へ、組み分け徹底検証「8強は完全アウェーでも…」

決勝Tは1位通過ならスコットランド、2位通過なら開催国の豪州と対戦?
【決勝トーナメント】
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エディーが会見でも目の前の試合、プール戦だけに集中すると言い張ったのも、別のアングルから見れば、プール戦突破が現実のものとして見えてきた組み合わせに、選手が目前のゲームへの集中力を欠くことがどれだけ危険なことかを熟知しているからだ。15年に日本に金星を献上した南アフリカが最高の教訓でもあるが、会見でエディーはこんな話をしている。
「次の大会が私にとって5度目のW杯です。少しはW杯について理解してきたと思っていますが、その経験で、次に待つ試合だけに集中すること、つまりあまり先の事を考えるべきではないと思っています。2015年大会の時は南アフリカが初戦だと決まったので、そこだけに集中して取り組めたが、次の大会でサモアが初戦なら、フランスの準備ばかりしても理に適っていない。目前の相手に対してしっかりと集中したいのです」
2年後の課題は「プール戦突破」から「決勝トーナメントをどう勝ち上がるか」に切り替わった。既に発表されている決勝トーナメントの組み分けでは、日本が所属するプールEは1位がプールD2位、2位ならプールA2位との準々決勝が決まっている。エディーには叱られそうだが、独断でプール戦の順位を占ってみよう。
▼日本がプールE1位通過の場合
プールDの上位候補はアイルランド(世界ランク4位)とスコットランド(同9位)。同じ6か国対抗を戦うライバルだが、現状での実力を見ればスコットランドの2位通過が濃厚だ。日本にとっては過去2勝11敗(アイルランドは1勝12敗)の相手との8強入りをかけた戦いになる。
▼プールE2位通過の場合
対戦するプールA2位の最右翼は開催国のオーストラリア(世界ランク7位)。同組の首位争いをニュージーランド(同2位)と争うが、現状の実力だと番狂わせは容易ではない。来夏で、オーストラリアの強化を推進してきたジョー・シュミットHCが退任するのも未知数の要素になる。
勿論番狂わせはつきものだが、順当なカードになった場合は、日本にとっては悩ましい挑戦になる。エディーは迷わずプールEでフランスを倒しての1位通過を目指すはずだが、スコットランド、オーストラリアという相手をみると後者との対戦のほうがベスト8入りの可能性があるだろう。2年後の秋に、それぞれのチームがどこまで強化を進めているかも大きく影響するが、世界ランキングや10月に日本がオーストラリアと15-19の接戦を演じたこと以上に理由がある。
日本のオーストラリアとの対戦成績は7戦全敗とスコットランドよりも分が悪い。しかも相手は大会ホスト国だ。だが、スコットランドのゲームスタイルを考えると、日本にとって戦い辛い相手でもある。ヨーロッパチームに共通するFWをベースにして、キックで手堅く敵陣に攻め入り、ラインアウトからのドライビングモールやPGで着実に加点して、ロースコアのゲームで挑んでくるのが基本的なスタイルだ。そこに、日本が苦手とするWTBドゥハン・ファンデルベルヴァという一発でトライを仕留められる世界最強のフィニッシャーも擁している。
19年大会では日本が勝利してベスト8進出を決めたが、エディーも課題に挙げたキックゲームへの対応力、スクラム、ラインアウトというセットピース、そして手堅い試合運びでロースコアの戦いに持ち込もうとするスコットランド代表の特徴を踏まえると、スピ―ドを武器にスコアを獲り合うスタイルに強みを持つ日本にとっては厄介な相手になるだろう。ヨーロッパスタイルのラグビーに比べれば、完全アウェーのリスクを踏まえても、日本に近いボールを展開してくるオーストラリアのほうが与し易い相手になるはずだ。
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