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好展開も…なぜかスコアに繋がらない “連続大敗”ラグビー日本代表の今、司令塔が指摘した「問題は…」

残された時間はあと2年、日本は「あと少し」の領域に辿り着けるか【写真:JRFU】
残された時間はあと2年、日本は「あと少し」の領域に辿り着けるか【写真:JRFU】

選手が感じる「もう少し」、残された時間は2年を切った

 日本代表を少し離れていたから客観視できるのか、それともフランスで高いレベルのゲームを経験した影響なのか、齋藤の言葉はいまの日本代表の状態をよく言い表しているように思える。

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「結局自分たちからミスで、逆に(トライを)食らったダメージが大きいというか、チャンスの状況でミスをして相手に得点に繋げられてしまっていた。でも、テストマッチというのは数少ないチャンスをものにしなければならなくて、アイルランド戦でそこが(悪い意味で)顕著に出たと思います。前半はゲインしていてもスコア出来ていたかというと、そうじゃなかった。チャンスをものに出来ていなかった。ここは1個課題です。やはり数少ないチャンスで、全員でスイッチを入れて獲り切らないと、やはり難しいゲームになってしまう」

 それぞれが、いい感触も持ちながら、決定的に足りないものも見えてきている。最後に、再びSO李が感じているチームの「いま」を紹介しておこう。

「もう少しの所まで来ていると思います。チャンスを作れているが、1つのパス1つのオフロード(パス)のところで、自分たちのチャンスを手離していると思う。でも、やっている事は間違いないですし、(アイルランド戦へ向けた)今週もいい準備をしてきた中で、しっかりと受けとめることは受けとめて、自信を持って次に準備していきたい」

 選手は自分たちの試合について、時には厳しく、時には愛情を持って語るものだ。全てをその通り受け取るべきではないこともある。だが、アイルランド戦後に聞いた選手たちは、概ね冷静に自分たちの出来栄えを物語れていたように思う。「もう少しの所」へ辿り着くために残された時間は、2年を切っている。

(吉田 宏 / Hiroshi Yoshida)

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吉田 宏

サンケイスポーツ紙で1995年からラグビー担当となり、担当記者1人の時代も含めて20年以上に渡り365日欠かさずラグビー情報を掲載し続けた。1996年アトランタ五輪でのサッカー日本代表のブラジル撃破と2015年ラグビーW杯の南アフリカ戦勝利という、歴史に残る番狂わせ2試合を現場記者として取材。2019年4月から、フリーランスのラグビーライターとして取材を続けている。長い担当記者として培った人脈や情報網を生かし、向井昭吾、ジョン・カーワン、エディー・ジョーンズら歴代の日本代表指導者人事などをスクープ。ラグビーW杯は1999、2003、07、11、15、19、23年と7大会連続で取材。

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