好展開も…なぜかスコアに繋がらない “連続大敗”ラグビー日本代表の今、司令塔が指摘した「問題は…」

過去に実績ある選手を代表で起用しない理由とは
昨年の始動からこの秋のツアーまでの強化スピードは議論があっていいだろう。それは居酒屋でのファン談義もだが、協会首脳陣の中でもだ。日本協会の岩渕健輔専務理事は、アイルランド戦後にこんな評価を語っている。
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「チームの方向性とかについては、去年よりもかなり良くなっているのは間違いないと思います。一方で、今チームに期待されることは、やはり相手が誰であろうと勝つことなので、もどかしさと、もう少しのところでチャンスをものに出来ていないという思いは、私自身も感じています」
一部で疑問の声もある。過去に実績のある選手を代表で起用していないことについてはこう明言している。
「いろいろな考え方があると思います。ただ、今のチームが目指しているのはワールドカップへ向けてベストな状況に持っていくにはどうしたらいいかというところなので、そこについては協会として全面的にバックアップしていきます。私自身は、今のHC(エディー)が最初に就任したときは、現場で一緒になってやっていた(代表GM)。その時を考えると、相当順調に来ている感じはしています。当時より対戦相手のレベルも上がっている。そういう意味では、今回の方がワールドカップでの勝利を現実的なものとして準備しているという意味で前向きだと思っています」
当然のことながら、協会首脳陣が選んだ指揮官への信頼は厚いはずだが、同時に、若手を育成しながら強化を進めていくという、いわば「投資と利益」を同時に追求していく難しい強化は継続していくことになりそうだ。
こんな話になると、日本代表のヨーロッパ遠征を飛び越えて、若手を中心とした強化・育成、国際試合での経験値アップという日本の根源的な代表強化の課題へと思いが広がってしまうが、当然のことながら
今回のツアー4試合と国内でのオーストラリア戦でも、選手たちは一歩ずつ経験を積み重ねながら学びを続けている。それがアイルランド戦後半12分のラインアウトであり、その数分前に見せた防御であり、相手反則を誘うスピードアタックだ。
個人的な話になるが、ツアーへの帯同を前半の2試合にしたのも、国内の都合もある一方で、綻びかけの桜のジャージーが、ツアー中でも最も手強い2チームとどう戦い、どんな格差を見せつけられるのかを半ば期待しながらの選択だった。選手、チームには失礼ながら期待通りのゲームでもあったのだが、課題として、このレベルの相手にどんな抵抗が出来るのか、そして出来ないのかもさらけ出したという点では、日本代表の立ち位置を確認出来た収穫と受け止めている。
アイルランド戦に先発して、7月のウェールズ戦以来の桜のジャージーを着たSH齋藤直人(スタッド・トゥールーザン)は、チームの戦いぶり、敗因をこう振り返っている。
「前半スコア的にも良かったですが、勝負の“間”のようなところはあったと思います。(ゴールライン)5m前のラインアウトのところかなと思っていたので、あそこで(トライを)取り切れなかったのは問題です。同じ絵を見られていなかった。そういう何個か選択肢がある中で(スコア出来なかった)というのはありますね。あのゴール前のシーンは、僕たちも前半(の追い上げ)を理解した上で(相手の空いている)スペースが分かっていたし、そこを仕留め切れなかったのは難しかった。いや痛かったですよね」
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