日本の応援文化「本当に信じがたい」 取材エリアで相次ぐ海外勢の感激「ドイツ国旗が客席に…」【フィギュアNHK杯】

日本語の勉強を始めたカップルも「世界で最もステキなこと=日本で競技すること」
観客から届く言葉をもっと理解したくて日本語の勉強を始めたカップルもいる。ペアで7位だったダリア・ダニロワ、ミシェル・ツィバ組(オランダ)だ。昨年のNHK杯の数週間前から学び始め、「センセイ」もいるという。ツィバは「ファンがたくさんいるから、彼らと日本語でも話せたら、もっと気持ちもわかるし素晴らしいだろうなと思ったんだ」とその理由を明かす。
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2022年札幌のNHK杯で初来日してから、すでに日本で大会に出るのは6度目。来るたびに日本愛が増しているというツィバは、国際スケート連盟のプロフィール欄で「Hobbies(趣味)」の項目に「competing in Japan(日本で競技すること)」と記すほどの親日ぶりだ。「誰かに『世界で最もステキなことは?』と聞かれたら、『日本で競技すること』と答えるよ」とまで熱弁した。
日本のファンは他の国と何が違うのか。ツィバは言う。「首位争いをしているわけじゃない私たちのことも、他のチャンピオンたちと同じように鑑賞してくれる」「欧州のファンと話すと『アクセルってなに?』みたいな時もあるけど、ここのファンは『この技術が、あの技術が!』と私よりも詳しいんじゃないかってぐらいに話してくれる」。フィギュア愛と知識量が選手にも伝わっているようだ。
一方、異国での戦いは困難も少なくない。長時間の移動や時差に苦しんだという声も聞かれた。ペアで優勝したサーラ・コンティ、ニッコロ・マチー組(イタリア)は10月の中国杯からアジアで連戦。「母国が恋しい」(コンティ)、「2週間オリーブオイルなしの生活。日本のホテルに着いて、ようやくオリーブオイルを見つけて興奮したよ」(マチー)とホームシックを告白していた。
だからこそ、コンティは温かい声援に感謝する。「日本が大好き。この観客が大好き。氷上に立つと、いつも大歓声が聞こえてきて感動するの。2023年の埼玉(世界選手権)以来、日本の観客は自分たちの味方だと感じているから『みんなを驚かせたい』という思いでプログラムを始めたの。この国のことを、本当にホームのように感じているわ」。選手と観客、双方向の感動が大阪で生まれていた。
(THE ANSWER編集部・鉾久 真大 / Masahiro Muku)
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