「Come on!」魂の叫び、ずぶ濡れのノート…中継で話題に、世界一女王が守ったルーティンの意味【東京世界陸上】

それぞれのルーティンの意味とは
優勝後の取材ではノートに関する質問が飛び交った。最も印象に残っているのは、8月にスイスのチューリッヒで行われたダイヤモンドリーグ・ファイナルの最終跳躍について書き留めたページだという。
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「あるテクニックで突破口があったの。一般の人にはわからないことだけど、重要なポジションに関することで、それを実行してうまくいったの。だから、未来のためにもノートに残しておかないとね」
体一つで戦う走り高跳び。助走、踏み切り、空中動作……全てが噛み合ってバーを越えることができる。「(ノートには)棒人間と方向を書き残しているだけよ。私にはそれで十分なの」。その内容は決して難しいことではない。それでも丁寧に書き続けているノートは未来の自分の助けになる。
跳躍前のルーティンについてはTHE ANSWERが取材した。きっかけは8年前で「ジャンプする直前にイエス様を見つめて『これはあなたのために』と唱え始めたの」と説明する。
「全ての恐怖が喜びに変わって『さあ、いこう』と思えるの。それからルーティンをするたびに喜びが沸き上がった。部屋やトレーニングでは叫ばないわ。スタジアムのあの瞬間だけよ」
初出場した17年のロンドン大会は、最下位。そこから8年、ついに世界一に辿り着いた。欠かさずに行うルーティンはどのような効果があるのか。
「全てのジャンプが重要であることを思い出させてくれるのよ」
土壇場でも自分を見失うことなく、いつも通りに跳躍すること。新女王のルーティンは、大舞台で結果を出すためのヒントになる。
(THE ANSWER編集部・山野邊 佳穂 / Kaho Yamanobe)
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