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「Come on!」魂の叫び、ずぶ濡れのノート…中継で話題に、世界一女王が守ったルーティンの意味【東京世界陸上】

9月に国立競技場で行われた陸上の世界選手権東京大会。9日間の熱戦を現地取材した「THE ANSWER」は、選手や競技の魅力を伝えるほか、新たな価値観を探る連載「東京に集いし超人たち」を展開する。第29回は「アスリートのルーティン」。女子走り高跳びで優勝したニコラ・オリスラガース(豪州)には跳躍前後に行う習慣がある。世界大会で初の栄冠を手にした新女王にその効果を直撃した。(取材・文=THE ANSWER編集部・山野邊 佳穂、戸田 湧大)

女子走り高跳びで優勝したニコラ・オリスラガース【写真:中戸川知世】
女子走り高跳びで優勝したニコラ・オリスラガース【写真:中戸川知世】

東京世界陸上連載「東京に集いし超人たち」第29回

 9月に国立競技場で行われた陸上の世界選手権東京大会。9日間の熱戦を現地取材した「THE ANSWER」は、選手や競技の魅力を伝えるほか、新たな価値観を探る連載「東京に集いし超人たち」を展開する。第29回は「アスリートのルーティン」。女子走り高跳びで優勝したニコラ・オリスラガース(豪州)には跳躍前後に行う習慣がある。世界大会で初の栄冠を手にした新女王にその効果を直撃した。(取材・文=THE ANSWER編集部・山野邊 佳穂、戸田 湧大)

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 過酷な状況下で、自ら栄冠を手繰り寄せた。

 5万8723人の観客が詰めかけた大会最終日の国立競技場。笑顔で助走地点についたオリスラガースは、両手を広げて天を見上げ、手拍子を求めた。一瞬、きりっとした表情を浮かべて「カモーン!」と絶叫。長い足でゆったりと助走し、思い切り踏み切ると、ふわりと浮いた体は2メートルのバーを越えていく。その直後だった。

 マット上で力強くガッツポーズを繰り出したオリスラガースは、観衆の喧騒をよそに、すぐさまベンチに座ってノートに記録。いつも通りのルーティンをこなした。

 雨による中断を挟むなど波乱の展開で、唯一2メートルに成功。世界記録保持者のヤロスラワ・マフチフ(ウクライナ)を抑え、世界大会で初の金メダルを獲得した。「ランキング1位で迎えた大会だったけど、プレッシャーはなかった。ずぶ濡れのノートと金メダルを手に帰ってこられたことは素晴らしいわ」。国旗を掲げ、笑顔が光った。

 オーストラリアの28歳。五輪では21年の東京大会、昨夏のパリ大会と2大会連続で銀メダルを獲得した。今年8月には世界記録にあと6センチに迫る2メートル4の自己ベストを記録し、好調を維持して東京にやってきた。

 大舞台でいつも注目されるのが独特なルーティン。今大会も跳躍前の笑顔や魂の叫び、跳躍後にメモをする姿が話題となった。

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