「弱音吐いてる場合じゃ…」 リオ五輪銀メダルから9年…飯塚翔太の今、34歳になっても走り続ける理由
滋賀・平和堂HATOスタジアムで3日から5日間行われた第79回国民スポーツ大会(国スポ)の陸上競技。男子200メートルで東京世界陸上に出場した飯塚翔太(静岡・ミズノ)は成年少年男子共通4×100メートルリレーの4走で激走。チームを優勝に導いた。2016年のリオデジャネイロ五輪男子4×100メートルリレー銀メダルメンバーは五輪4大会、世界陸上6大会など、長年世界で戦ってきた。34歳になった今も走り続ける理由とは――。(取材・文=THE ANSWER編集部・山野邊 佳穂)

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滋賀・平和堂HATOスタジアムで3日から5日間行われた第79回国民スポーツ大会(国スポ)の陸上競技。男子200メートルで東京世界陸上に出場した飯塚翔太(静岡・ミズノ)は成年少年男子共通4×100メートルリレーの4走で激走。チームを優勝に導いた。2016年のリオデジャネイロ五輪男子4×100メートルリレー銀メダルメンバーは五輪4大会、世界陸上6大会など、長年世界で戦ってきた。34歳になった今も走り続ける理由とは――。(取材・文=THE ANSWER編集部・山野邊 佳穂)
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後輩たちの想いが詰まったバトンを手に、誰よりも速くゴールラインを駆け抜けた。
予選、準決勝を1位で通過した静岡。佐藤瑠(袋井高3年)、大石凌功(東洋大3年)、松下碩斗(静岡高1年)とバトンを繋ぎ、2番手で4走の大ベテラン飯塚へ。「勝たないと」。疲労した体に力を込めた。中盤で前を走る京都を抜き去ると、後続を突き放してゴール。38秒95の大会新記録で、チームに栄冠をもたらした。
静岡特製のチャンピオンTシャツを着て記念撮影した飯塚は「静岡の先生方に結果で返せたことが一番うれしい」と爽やかな笑顔を見せた。
長く走り続けているから得られるものがある。
小学3年で始めた陸上競技。五輪は12年のロンドン大会から24年のパリ大会まで4大会連続で出場し、25歳で挑んだ16年のリオデジャネイロ大会では、4×100メートルリレーで銀メダルを獲得した。世界陸上は6大会を経験。今季は自国開催の東京大会で日の丸を背負い、34歳になった今でも世界と渡り合っている。

人生の3分の2以上をトラックに捧げてきたが、競技への情熱は変わらない。「やっぱり楽しいですね。自分を実験台にして走り方を探っていく。それは昔からずっと一緒なので」と長い競技人生ならではの魅力を明かす。
ただ、楽しいだけではないのがスポーツ。苦しい挫折や失敗も数えきれない。それでも続けてこられたのは、誰もが苦悩を抱えていることを知っているから。
「自分よりもきつい人はたくさんいる。酷い怪我をしている人とか、競技を続けたいけど、続けられなくなった人とか。結果が出ないくらいで、ちょっと怪我したくらいで下を向いていたら、その人たちに申し訳ない。弱音を吐いている場合じゃないです」
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