左手骨折、ボロボロで最終日まで挑み…34歳ハードラー清山ちさと、現役続行の理由「自分の人生だし、やるのは自分」

現役引退か続行か…揺れた胸中「自分の人生だし、やるのは自分」
集大成と位置付けていた今季。現役続行か引退か――。心が揺れ動く中、背中を押してくれたのはボロボロになっても挑戦を止めなかった自分自身だった。
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「骨折した状態でも12秒77が出せた。12秒9台とかが続いていたら『もう潮時だな』と思っていたけど、もう一回頑張ってもいいかもと思った」
小学生で抱いた夢は日本代表になること。その夢はいつしか目標に変わり、今では手の届きそうなところにある。「辞めない方が良い」「続けてほしい」……。周囲の言葉はもちろん嬉しかった。ただ、生半可な気持ちで続けられるほど甘い世界ではない。
「自分の人生だし、やるのは自分。自分の意思が固まらないとダメだと思った。現役続行は自分で決めた選択。今は2、3年先までは決められない。一年一年やることをやって、どう感じるかでまた選択肢が生まれると思う。その時に感じることで決めていきたい」
国スポは女子ハードル界を長年引っ張ってきた寺田の第一線ラストラン。そんな特別なレースを清山が制した。「予選、決勝の2本、寺田さんと一緒に走れて楽しかった。スタート前に涙が出そうだった。引退されるのはすごく寂しいけど、今度は私たちが頑張りたい」。尊敬する先輩の想いも背負い、また挑戦を続けていく。
来年は35歳になる。大目標は9月に名古屋で開催されるアジア大会。
「走りの感覚がわかってきた。やっとできるようになったことをもう一回整理して、この冬季練習をこなせたら、また来年戦えると思う」
幼いハードラーが抱いた夢への物語はまだ終わらない。
(THE ANSWER編集部・山野邊 佳穂 / Kaho Yamanobe)
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