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「走りたくない、吐き気が…」“30歳の新ヒロイン”中島ひとみ、過酷な代表レースの裏側 心身に異変も…あの舞台へもう一度

滋賀・平和堂HATOスタジアムで3日から5日間、行われた第79回国民スポーツ大会(国スポ)の陸上競技。女子100メートル障害で世界陸上に出場した中島ひとみ(兵庫・長谷川体育施設)は専門外の成年女子100メートルで準優勝を果たし、非凡なスピードを見せつけた。30歳を迎えた今季は初めて日の丸を背負い、飛躍のシーズンに。ただ、代表を目指す日々は想像以上に過酷で、心身に異変も……。「でも、また走りたくなるんですよね」と見せた笑顔には“アスリート魂”が宿っていた。(取材・文=THE ANSWER編集部・山野邊 佳穂)

成年女子100メートルで準優勝を果たした中島ひとみ【写真:中戸川知世】
成年女子100メートルで準優勝を果たした中島ひとみ【写真:中戸川知世】

国民スポーツ大会陸上

 滋賀・平和堂HATOスタジアムで3日から5日間、行われた第79回国民スポーツ大会(国スポ)の陸上競技。女子100メートル障害で世界陸上に出場した中島ひとみ(兵庫・長谷川体育施設)は専門外の成年女子100メートルで準優勝を果たし、非凡なスピードを見せつけた。30歳を迎えた今季は初めて日の丸を背負い、飛躍のシーズンに。ただ、代表を目指す日々は想像以上に過酷で、心身に異変も……。「でも、また走りたくなるんですよね」と見せた笑顔には“アスリート魂”が宿っていた。(取材・文=THE ANSWER編集部・山野邊 佳穂)

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 長い、長い1年間が終わった。

 お世話になった地元の人たちに恩返しを――。中島は精神的に負担の少ない専門外の100メートルに出場し、決勝は11秒66(追い風0.4メートル)で堂々の準優勝。7点を獲得し、兵庫の男女総合、女子総合優勝に貢献した。「シーズンが終わってめっちゃうれしい。1年間、世界陸上に向けてやってきて一気に疲れがきました」。最終戦を終え、笑顔が弾けた。

 飛躍のシーズンとなった今季。怒涛の日々を過ごしてきた。

 荒牧中(兵庫)3年で全中優勝、夙川学院高(兵庫)2年で国体を制し、将来を有望視されたハードラー。しかし、3年時にはインターハイ出場を逃すと、園田学園大時代もタイトルからは遠ざかり低迷期に。卒業後に入社した長谷川体育施設では、日本選手権に出場するも準決勝敗退が続く。代表戦線には加われなかった。

 ところが昨年9月に12秒99を記録し、20代ラストイヤーで復活の気配。一躍注目を集めると、今季は自国開催の世界陸上を目指して駆け抜けてきた。

 当初は大会の成績で加算されるポイントでの出場を視野に入れていた。各試合で記録、順位の目標を明確に設定。「1試合も取りこぼせない」。その反動で、自らに過度なプレッシャーをかけていたことも事実だった。「決勝のコール前は緊張しすぎて吐き気がしたり、お腹をこわしたり」。体に起きた異変を明かす。

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