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13個の金メダルよりフレイザープライスが誇るもの 傷つき、愛され、東京のラストランで確かめた「私の一番の恵み」

有終の美を飾ったフレイザープライス(中央)は若者たちへアドバイスを送った【写真:ロイター】
有終の美を飾ったフレイザープライス(中央)は若者たちへアドバイスを送った【写真:ロイター】

次代を担う若者への助言「最終決定権を持つのはあなた」

 頂点を目指し、自分の限界に挑むアスリートたち。ほとんどの人間は世界の舞台に上がることさえできない。トラックを共にするのはライバルであり、狭き門をくぐり抜けてきた戦友。たどり着くためにどれだけの努力が必要か知っているからこそ、勝っても負けても、そこにはリスペクトがある。

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「私にとって一番の恵みは、世代を超えて私から刺激を受けたという選手たちを目にすることです。異なる世代の選手たちを育ててきたということですから。そんな選手たちと交流できることは本当に喜ばしいことですし、彼女たちがこの旅路やレッスンから何か受け取ってくれることを願っています」

 今大会の女子100メートルでも、16歳下のジェファーソンウッデンという新女王が誕生し、フレイザープライスを「アイドル」と敬う21歳のティナ・クレイトン(ジャマイカ)が初出場ながら2位に入った。これからの時代を担う若者たちへ、38歳のレジェンドは助言を残した。

「どんな風に見えようが関係ありません。最終決定権を持つのはあなた。スタートラインに立ち、神が与えてくれた才能を信じ、挑戦して自分の可能性に賭けるのです。それ以外のものは全て雑音。雑音に耳を傾けてはいけません。自分がやるべきことに集中すれば、仕事を成し遂げることができます」

 10月7日、フレイザープライスは自身のインスタグラムで引退を正式に発表した。国境も年齢も超えて切磋琢磨できるスポーツの美しさ。勝ち負けだけではない大切なものを伝え、次世代にバトンを繋いだ。

(THE ANSWER編集部・鉾久 真大 / Masahiro Muku)

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