13個の金メダルよりフレイザープライスが誇るもの 傷つき、愛され、東京のラストランで確かめた「私の一番の恵み」

メダル以上に求める「結びつき」
何度も表彰台に上がってきたフレイザープライスだが、決勝の舞台は当たり前ではないと知っている。昨年のパリ五輪では100メートル準決勝の直前に辞退。「スタートラインに立てなかったので、とても傷つきました。だから今夜、私はスタートラインに立っただけでも『イエス、やったよ』という感じでした」。ここまで来られたのも、家族やチーム、ファンらの支えがあったからだと感謝する。
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2017年には長男を出産。復帰後の2019年ドーハ、2022年オレゴン世界選手権で100メートル連覇を果たすなど、“世界最強ママスプリンター”として多くの女性にインスピレーションを与えてきた。その功績の大きさは、レース後に絶え間なく称えに来た各国の選手たちが表していた。フレイザープライスにとって、それはメダルにも勝るものだ。
「これまで私が出会い、交流してきたアスリートの皆さんは本当に素晴らしかった。一人のアスリートとして、それこそが求めるもの、このスポーツから受けたい影響だと思います。それは愛であり、これからのアスリートに託していきたいものです」
抱えきれないほどのメダルを手にしてきた女王はこう続ける。
「もちろん私たちはチャンピオンになるためにここに来ています。メダルを獲得したい。でもメダルが全てではありません。結びつきなんです。同士なんです。私たちみんなが賞を追いかけています。手に入る人もいれば、叶わない人もいる。でも、みんながそのために積み重ねてきているのです」
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