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2軍首位打者なのに“指名漏れ”…HR倍増&打点王で再挑戦、知念大成が追う「究極のスタイル」

野性的なフルスイングは知念の大きな魅力だ【写真:羽鳥慶太】
野性的なフルスイングは知念の大きな魅力だ【写真:羽鳥慶太】

意外だったフレッシュ球宴のMVP…ミスがミスで終わらなかった理由

 もともと「ホント、見るほうが好きなくらいで……」と口にするほどの野球小僧。8月に東京でオフがあると、都市対抗野球が行われている東京ドームへ駆けつけたこともあった。「野球見てる方が長いかもしれません。試合ってせいぜい4時間じゃないですか。そのほかの時間もずっと野球見ていますからね」。ヒントはどこに転がっているかわからない。うまくなりたいという思いが、口から行動からあふれる。

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「帰りのバスでもホテルでも、ストレートに打ち負けたなとか、ずっと動画を見ています。いろんな人とも見比べますよ。楽天の島内さんとか、(大リーグ)ジャイアンツのイ・ジョンフとか。ダイさん(陽岱鋼)もそうですけど、感覚で動く選手が好きなんで。そこで照らし合わせて、気づくこともいろいろあるんです」

 今夏は香川県丸亀市で行われたフレッシュオールスターに初出場し、決勝2ランを放ちMVP。賞金100万円をつかむというド派手な活躍も見せた。2軍球団からは初の快挙。ただ本人には、ちょっと意外な結果だったという。

「あれ、たまたま合ったんです。真っ直ぐを打ちに行って、そこにフォークがドンピシャで来たのでああなった。ストレートが来たら、タイミングがズレていたはずなんです。もちろん長打を増やしたいと言っている中で、結果が出たのはうれしかったですけど」。打撃のレベルが上がり、ミスがミスで終わらなくなっているのだ。

 ドラフト指名が叶うかは、NPB球団側の見方にかかる。今年25歳の左打ち外野手。供給過多な立ち位置なのは否めない。それでも、ある対戦球団の首脳は「バットを変えて、長打を打ちたいんだろうなというのは見てて分かるよ。あれだけ振ってもバットに当てられるのは天性のもの。こういう選手がドラフトで指名されてほしいよね。若い選手に道を開く意味でも」と、進化の足取りを見守っている。

 今年こそ、重い扉を開きたい。「本塁打も率も残せるのが究極のスタイル。迷いもありますけど、やっぱり長打を打ちたい。でもヒットも出ないようでは代えられるのがこの世界です。ヒットを打ちながら、長打も。欲張りでしょうけど、やりきらないと」と知念。渾身のアピールは、NPB球団に届くか。

(THE ANSWER編集部・羽鳥 慶太 / Keita Hatori)

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