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伊藤雅雪は世界的なスターになれるのか ロマチェンコとのメガファイト実現の可能性

周辺階級には強豪ぞろい

 米国完全進出の足がかりを掴んだ伊藤が、スターダムに躍り出るポテンシャルを感じさせる理由は2つある。

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 まずは伊藤が確かな実力を備えた選手であること。米東海岸で期待を浴びる無敗プロスペクトだったディアスを攻略した一戦でも、そのスタイリッシュなボクシングは際立った。ファンを喜ばせるスタイルと甘いマスクを兼備しているだけに、トップランクが興味を持ったことも理解できる。

 伊藤の今後が面白いと感じさせるもう1つの理由は、トップランクが周辺階級に好選手を抱えていることだ。スーパーフェザー級のWBC王者は、2017年には日本が誇る強打者・三浦隆司(帝拳)を下した実力者ミゲル・ベルチェル(メキシコ/35勝(31KO)1敗)。ベルチェルは5月11日に元王者フランシスコ・バルガス(メキシコ)との再戦を予定しており、その一戦をクリアした後は統一戦路線に乗り出すことが予想される。その相手候補として、伊藤の名前もすでに米メディア上で挙がっているのだ。

「(ベルチェルとの対戦の)話はたぶんこっちからしていると思います(笑)。ルディ・ヘルナンデス・トレーナーも“ベルチェルとやらせろ”と言ってくれていて、もちろん本田(明彦)会長と帝拳プロモーションにも『ベルチェル、ロマチェンコとやりたい』とは伝えています。ベルチェルは統一戦をしたがっているのは知っているし、僕の名前が出ているのも知っています。だからやりたいし、そこは意識していますよ」

 伊藤はここで自らロマチェンコの名前を出したが、一階級上の統一王者との対戦すらも実際にもう夢物語ではない。パウンド・フォー・パウンド最強の呼び声高いウクライナの拳豪だが、今後はその相手探しに苦心しそうなのが実情。伊藤が勝ち続けた場合、必然的に有力候補に浮上するはずだ。

 そもそもトップランクが伊藤に興味を持った背景に、同社がエースとして期待をかけるロマチェンコとの近未来のマッチアップを視野に入れていたことは容易に想像できる。報酬面も大きな問題になるとは思えず、ある関係者は「対戦交渉は容易だ」と述べていた。だとすれば――。

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杉浦 大介

1975年、東京都生まれ。高校球児からアマボクサーを経て、フリーランスのスポーツライターに転身。現在はニューヨーク在住で、ボクシング、MLB、NBAなどを題材に執筆活動を行う。主な著書に「日本人投手黄金時代 メジャーリーグにおける真の評価」(KKベストセラーズ)、「イチローがいた幸せ」(悟空出版)。

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