2軍球団のドラフト候補が手に入れた“最速153km” 26歳でも球速は上げられる…配置転換で劇的変化「毎月1kmずつ…」
10月23日のプロ野球ドラフト会議まで、あと1か月ほどとなった。2軍イースタン・リーグに参加して2年目のオイシックスからも、複数の指名候補が最後の追い込みにかける。夏に大変身を見せたのが、左腕の牧野憲伸投手。昨季は先発の柱として投げていたが、今夏は最速153キロの剛腕リリーバーに変身した。大変身の裏側を聞いた。

オイシックスの牧野憲伸、リリーフ転向で剛腕に変身
10月23日のプロ野球ドラフト会議まで、あと1か月ほどとなった。2軍イースタン・リーグに参加して2年目のオイシックスからも、複数の指名候補が最後の追い込みにかける。夏に大変身を見せたのが、左腕の牧野憲伸投手。昨季は先発の柱として投げていたが、今夏は最速153キロの剛腕リリーバーに変身した。大変身の裏側を聞いた。
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「5月末から、毎月1キロずつ最速が上がって、こうなったんです」
8月、ついに最速150キロを超えた牧野は、こう言って笑顔を見せた。昨季はNPB2軍参加初年度のチームで先発の柱として奮投。チーム唯一の完封勝利を記録するなど、23試合で3勝9敗、防御率4.24という成績を残した。今季も先発としてシーズンインし、4月を終えたところで防御率は1.32という安定感。ただその後KOが続くと、武田勝監督はリリーフ転向を決断した。どんな意図があったのだろうか。
「打者を見下ろして、打てるもんなら打ってみろという感じで、どんどんストライク先行で投げてほしかった。勝負する武器が何か必要だったからね。身体全体を使ってボールを投げるのを、もう1回思い出してほしかったんだよ」
牧野も、NPBの2軍相手になるとなかなか打者を仕留めきれないのは感じていた。「春からフォームとかも考えて、いろいろやっていたんです」。足の上げ方、体重の乗せ方と順番に見直していった。ヤンキースの剛腕マックス・フリードの動画と自分を見比べ、何が違うのか考えた。先発と違い、リリーフは短いイニングで力を出し切るのが仕事。投げ終わった反動で左腕が後ろに回るような、ダイナミックな投球フォームに変わっていった。
富士大(岩手)では、リーグ戦登板の機会がなかった。オイシックスに来る前は2年間、独立BCリーグの信濃で投げていた。当時も先発投手としての安定感はリーグ有数で、NPB球団から調査書も届いたが指名はなし。スカウトに「もう少し出力が欲しいな」と言われているのは知っていた。「今は球速を出さないといけない時代じゃないですか」。ドラフト指名には、分かりやすい要素も必要となる。
8月に、ソフトバンクからの派遣でオイシックスに加わった宮里優吾投手からも、多くのヒントを得ている。利き手こそ異なるが、150キロを超える剛球を武器にする投手だ。キャッチボールを一緒にするようになり「フォークを教えてもらったりとか、いろいろ収穫はありますよ」。ストイックな姿勢も刺激になった。
オイシックスはイースタン・リーグの閉幕後も、選手を宮崎県で行われる「フェニックス・リーグ」に送り込み、さらにアピールの場を設ける。大卒4年目、9月19日には26歳となった牧野。遅咲きの挑戦は実るだろうか。
(THE ANSWER編集部・羽鳥 慶太 / Keita Hatori)
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