20世紀から世界陸上に出続ける鉄人 五輪6度、世陸14度…“陸上史の生き証人”49歳が歩き続けるワケ
陸上の世界選手権東京大会は13日から国立競技場で熱戦が繰り広げられている。2007年の大阪大会以来18年ぶり3回目の日本開催。現地で取材する「THE ANSWER」では、選手や競技の魅力を伝えるほか、新たな価値観を探る連載「東京に集いし超人たち」を届けていく。第10回は「長い現役生活を送れる理由」。13日の男子35キロ競歩で20位に入ったジョアオ・ビエイラ(ポルトガル)は世界陸上14度、五輪6度の出場経験を持つ49歳。陸上の歴史を知る鉄人に、歩き続ける理由を聞いた。(取材・文=THE ANSWER編集部・戸田 湧大)

東京世界陸上連載「東京に集いし超人たち」第10回
陸上の世界選手権東京大会は13日から国立競技場で熱戦が繰り広げられている。2007年の大阪大会以来18年ぶり3回目の日本開催。現地で取材する「THE ANSWER」では、選手や競技の魅力を伝えるほか、新たな価値観を探る連載「東京に集いし超人たち」を届けていく。第10回は「長い現役生活を送れる理由」。13日の男子35キロ競歩で20位に入ったジョアオ・ビエイラ(ポルトガル)は世界陸上14度、五輪6度の出場経験を持つ49歳。陸上の歴史を知る鉄人に、歩き続ける理由を聞いた。(取材・文=THE ANSWER編集部・戸田 湧大)
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陸上の歴史を誰よりも知る49歳が、東京の街を“駆けた”。
序盤は自分のペースを守り、15キロ地点では40位。「一番大切なのは完歩すること、レース終盤で順位を大きく上げること」。徐々にペースを上げ、棄権者10人が出る消耗戦で20位まで浮上し、完歩した。14度目の大舞台を終え「結果に繋がって良かった」と満足げに振り返った。
初出場は1999年のセビリア大会まで遡る。マイケル・ジョンソン(米国)が男子400メートルで当時の世界新を樹立した20世紀最後の大会。以降は1度も欠場なし。第20回を迎えた今大会で14度目の出場を果たし、陸上界の歴史とともに道を歩んできた鉄人だ。
2019年のドーハ大会では、43歳にして、日本の鈴木雄介に次ぐ銀メダルを獲得する偉業を達成。世界陸上の最年長メダリストとなった。「良い気分だった。達成した結果にとても誇りを感じているよ」。6年前の快挙は今も鮮明に覚えている。
13歳の頃、選手が足りなかった地元の競歩大会に飛び入り参加。そこから始まった陸上人生も、今年で36年が経った。未だに毎日4時間の練習は欠かさない。競歩の楽しさを問うと「まあ、そんなに多くはないけど……。歩くことは健康に良いからね」と冗談めかして笑う。
来年2月に50歳の誕生日を迎えるビエイラ。長い現役生活を送れる理由とは――。「競歩が好きだからだ。それが競歩を続ける唯一のモチベーションになっているよ」。多くは語らない寡黙な男は、自らの背中で答えを示し続けている。
(THE ANSWER編集部・戸田 湧大 / Yudai Toda)
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