17歳久保凛、春に流した“もう一つ”の涙 察した重圧…監督が贈った「大谷翔平すら7回ミスできる」の真意

17歳にして陸上界の大きな期待を背負う姿を見てきた。だから木南記念の後、久保に伝えたことがある。
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「野球では打率3割ってすごいことじゃないですか。大谷翔平選手って皆さんご存じの通りスーパースターですけど、今は3割打っていない。あんなにホームランを打っている大谷選手ですら、7回もミスできる。『次、頑張ろう』という気持ちで10回中3回打てたら認められる。
だから、久保にも『ずっと日本記録を出せるわけないじゃん。野球でいったら、10回中3回、何か良い記録を出せば認められるんだよ。だから、くよくよする必要もない。今日負けても自分のレースをしたならいいよ』と」
涙から2か月後、日本記録更新の快挙が待っていた。
野口監督が初めて久保の走りを見たのは中学2年の時。ダイナミックなフォームと積極果敢なレースに惚れ込んだ。スカウトして同校に入学。そこから二人三脚で歩んできた。

レース後、声を震わせて久保は言った。
「世界の舞台で思い切ったレースができないのは弱い部分。一から磨き直して、もっと強い久保凛を見せられるようにしたい」
流した涙の分だけ強くなれる。
急成長を遂げ、世界最高峰の舞台まで辿りついた日本の“スーパー女子高生”。何度でも立ち上がる。「10回中3回」訪れる歓喜のために。
(THE ANSWER編集部・山野邊 佳穂 / Kaho Yamanobe)
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