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殺害、破壊行為…1日90km徒歩で紛争地を逃れて マラソンに人生を救われた“難民の星”「誰でも王者になれる」【東京世界陸上】

「誰でもチャンピオンになれる」 逆境を乗り越える思考とは

 その後、1日約90キロもの距離を歩くなど、長い月日をかけて隣国のウガンダに避難。21歳の頃にはケニアへと渡った。知人も仲間もいない土地で彼を救ったのが陸上競技だった。多くのマラソンランナーと出会い、アスリートを志すきっかけに繋がったという。

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「ケニアのランナーたちから刺激を得たんだ。子供の頃から走りたいと思っていたけど、地元には助けてくれる人がいなかった。ケニア人のマラソンランナーと一緒にトレーニングをしたことが、選手になる気持ちにさせてくれたんだ」

 今回が初の世界陸上。想像しがたいほどの苦しみや絶望を乗り越え、夢の舞台に駆け上がった。自分を救ってくれたマラソンへの感謝と初心を忘れることはない。

「今でもスタートラインのような気持ちだ。僕は誰にでも刺激を与えられる。マラソンはみんなのものだ。特定の人だけのものでも、ケニア人のものでもない。一生懸命練習すれば誰でも勝てるんだ」

 淀みない言葉には、壮絶な過去に裏付けされた自信と覚悟がにじみ出ていた。厳しい環境下で生まれ育った“難民の星”。ンタグンガが説く逆境を乗り越える思考とは――。

「諦めないことだ。やりたいことは何でもできるんだ。誰でもチャンピオンになれるのさ」

(THE ANSWER編集部・戸田 湧大 / Yudai Toda)

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