「何回も悪夢を見た…」 悲劇から2か月、世界で特大の「NR」を灯した斎藤みうが流した涙の理由【東京世界陸上】

7月の日本選手権決勝で悲劇「何回も悪夢を見たけど…」
7月の日本選手権決勝。優勝を目指して挑んだ大会で悲劇が起こった。序盤で障害を越える際に転倒。そこから2位まで猛追したが、日本一には届かなかった。接触や転倒……1秒たりとも気を抜けないのがこの種目。「何回も悪夢を見たけど、ここで落ち込んでいて何も始まらないと思って」。気持ちを切り替え、常に「100%」を出し切って練習。スウェーデンでのレースを挟み、大舞台へ備えた。
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静岡出身の23歳。日体大2年と4年時には日本インカレを制覇し、日本のトップで活躍してきた。今年4月にパナソニックに入社。5月のアジア選手権では9分38秒16の自己ベストを記録し、4位に入った。
初めて辿り着いた世界最高峰の舞台。苦労がなかったわけではない。ここまでの歩みを問われると、思わず涙が溢れ出た。
「高校は成長の過程で苦しかったけど、先生がずっと見放さずにいてくれた。大学でも駅伝でチームに迷惑をかけたこともあったけど、監督や仲間がいたからここまでこられた。色々な人が関わってくれたから、ここで走ることができた」
3000メートル障害は今、日本で注目を集める種目の1つ。今大会、男子では三浦龍司(SUBARU)が2大会連続の入賞を果たし、メダルまで1秒34に迫った。
「三浦選手のように国際大会で勝負できる選手になりたいし、まだまだだけど、決勝に進出して入賞するような選手になっていきたい」
斎藤は日本記録を更新しても決勝には届かなかった。「最大限の力を出した中で、世界との差が目に見えて感じられたことは貴重な経験。もう一度、体を作ってまた全力でやっていきたい」。世界との距離を一歩ずつ縮めていく。
(THE ANSWER編集部・山野邊 佳穂 / Kaho Yamanobe)
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