「何回も悪夢を見た…」 悲劇から2か月、世界で特大の「NR」を灯した斎藤みうが流した涙の理由【東京世界陸上】
陸上の世界選手権東京大会(国立競技場)は15日、女子3000メートル障害予選が行われ、初出場の23歳・斎藤みう(パナソニック)は9分24秒72をマークし、17年ぶりに日本記録を樹立。組6着で敗退したものの、早狩実紀が樹立した従来の記録を9秒21も更新するビッグレコードに国立が沸いた。日本一を目指した7月の日本選手権ではまさかの転倒。「何回も悪夢を見た」という悲劇から2か月、世界が注目する夢舞台で快挙を成し遂げた。(取材・文=THE ANSWER編集部・山野邊 佳穂)

陸上の世界選手権東京大会
陸上の世界選手権東京大会(国立競技場)は15日、女子3000メートル障害予選が行われ、初出場の23歳・斎藤みう(パナソニック)は9分24秒72をマークし、17年ぶりに日本記録を樹立。組6着で敗退したものの、早狩実紀が樹立した従来の記録を9秒21も更新するビッグレコードに国立が沸いた。日本一を目指した7月の日本選手権ではまさかの転倒。「何回も悪夢を見た」という悲劇から2か月、世界が注目する夢舞台で快挙を成し遂げた。(取材・文=THE ANSWER編集部・山野邊 佳穂)
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未知の領域に挑み続けた。
号砲からハイペースの展開。斎藤は、隊列を引っ張る東京五輪金メダリストのペルス・チェムタイ(ウガンダ)の後ろにつけた。その後も中盤に位置して粘りの走りを披露。最後の障害を越えると、直線で懸命に腕を振った。転倒やスパイクが脱げる選手も出た波乱のレースを、日本人が誰も到達したことのない速さで走り切った。
決勝進出ラインの5着にはあと一歩届かず。それでも従来の日本記録を9秒21も更新。電光掲示板には「M.SAITO」の横に「NR」の文字が記され、場内に「日本記録更新」がアナウンスされると大歓声。世界という大舞台で魂の走りをした日本のランナーに万雷の拍手が降り注いだ。
「本当に嬉しいですし、9分25秒を切れるとは思っていなかった。自分の力を出し切れば、良い結果がついてくると思っていたので良かった」。レース後、清々しい表情を見せた。
2か月前の悔しさを、同じこの場所で晴らした。
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