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「国立が陸上で使えなくなる」 日本勢メダル1号・勝木隼人、異例のXポストの“行間”に隠れた危機感【東京世界陸上】

陸上の世界選手権東京大会は13日から国立競技場で熱戦が繰り広げられている。2007年の大阪大会以来18年ぶり3回目の日本開催。現地で取材する「THE ANSWER」では、選手や競技の魅力を伝えるほか、新たな価値観を探る連載「東京に集いし超人たち」を届けていく。第3回は「トップアスリートが抱く危機感」。13日の男子35キロ競歩で銅メダルを獲得した勝木隼人(自衛隊体育学校)は、大会前にSNSで異例の呼びかけを行った。そこには陸上界の現状への危機感があった。(取材・文=THE ANSWER編集部・鉾久 真大)

男子35キロ競歩、3位でゴールし海外選手とハグする勝木隼人【写真:中戸川知世】
男子35キロ競歩、3位でゴールし海外選手とハグする勝木隼人【写真:中戸川知世】

東京世界陸上連載「東京に集いし超人たち」第3回

 陸上の世界選手権東京大会は13日から国立競技場で熱戦が繰り広げられている。2007年の大阪大会以来18年ぶり3回目の日本開催。現地で取材する「THE ANSWER」では、選手や競技の魅力を伝えるほか、新たな価値観を探る連載「東京に集いし超人たち」を届けていく。第3回は「トップアスリートが抱く危機感」。13日の男子35キロ競歩で銅メダルを獲得した勝木隼人(自衛隊体育学校)は、大会前にSNSで異例の呼びかけを行った。そこには陸上界の現状への危機感があった。(取材・文=THE ANSWER編集部・鉾久 真大)

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 ◇ ◇ ◇

「このポストを見た陸上競技が大好きな皆さんにお願いがあります」

 世界陸上の開幕を2日後に控えた11日夜。勝木は自身のXでこう切り出した。

「陸上競技の魅力を! そしてそれぞれの種目の魅力を発信してほしいです! 過去観戦に言った感想でも構いません! このポストにではなくて、個人でポストしてもらって構いません! どうやらチケットがまだ余っているらしいです」

 異例の呼びかけの行間には「このままだとこの競技場が陸上で使えなくなる」という危機感があった。「正直、試合前までにこの世界陸上を知っている人があまり多くなかったように感じていて。国立が満員じゃないとずっと聞いていたので」。世界最大の陸上イベントでも空席が目立つようであれば、将来にも響くのではないか――。居てもたっても居られず、指を動かした。

 投稿を受け、数多くの陸上ファンが反応。各々が競技の魅力や観戦の思い出をつづった。蓋を開けてみれば初日からイブニングセッションのチケットは完売。5万6819人の観客が世界中から集まったトップアスリートのパフォーマンスをその目に焼き付けた。

「ありがたいことに初日の午後は満員だった。平日はどうしても埋まらないとは思いますが、少しでも気になって見に来てくださった方はいらっしゃると思うし、競歩の観戦者を見ても、今まで見たことがない方がたくさんだったので、こうやって何かをきっかけに陸上競技を知って、興味を持ってくださる方が増えたら」。14日に開かれたメダルセレモニーの後、勝木は感慨深げに頷いた。

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