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「怖い、早く終わって…」世界の7番目で駆けた“早大サークル出身”小林香菜、重圧の42.195kmの先に見た景色【東京世界陸上】

レース後は笑顔をこぼしながら国旗を背負った【写真:中戸川知世】
レース後は笑顔をこぼしながら国旗を背負った【写真:中戸川知世】

突如、変わった日常…感じた重圧「何でこんなに辛いんだろう」

 大学卒業1年半で憧れた舞台へ。ただ、喜び以上に感じたのは重圧だった。「自分の走りで皆さんがどう思うかな」。考えると不安になった。河野監督も「この1年、初めてのことばかり。どこまで理解して対応できているのか僕も分かっていない。重圧を感じているのかなと思うところが沢山あった」と思いを明かす。

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 突如、変わった日常。慣れないトレーニングにも懸命に取り組んだ。怪我や体調不良もなく、全てのメニューを消化。初の大舞台に照準を定めた。

「怖いというか……。早く終わってほしい」。レース2日前、不安でいっぱいだった小林の姿はもうない。

「本当に最高でしたね。沿道も皆さんがずっと応援してくださって、本当に絶え間がなくて。沿道の近くで折り返すと、頭が痛いくらい聞こえて……。こういう大きなレースを走れることは幸せ」

 日本陸連強化委員会の高岡寿成シニアディレクターには「彼女には驚かされてばかり。可能性の大きさを改めて感じた」と絶賛された。今後は「世界陸上入賞者」の肩書を背負うことになる。これまで以上に注目を浴び、プレッシャーを感じることもあるかもしれない。それでも――。

「『何でこんなに辛いんだろう』と思うこともあるけど、思い残すことがあってこの道を選んだ。そこをさっぱりと吹っ切れるくらい、この道を頑張ろうと思う。この経験を無駄にしないように。ロサンゼルスオリンピックに向けて準備していきたい」

 決して楽しいだけでないこの場所で戦い続ける。

(THE ANSWER編集部・山野邊 佳穂 / Kaho Yamanobe)

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