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「怖い、早く終わって…」世界の7番目で駆けた“早大サークル出身”小林香菜、重圧の42.195kmの先に見た景色【東京世界陸上】

陸上の世界選手権東京大会第2日が14日に行われ、国立競技場発着のコースで争う女子マラソンで小林香菜(大塚製薬)が2時間28分50秒で日本勢最高の7位入賞を果たした。早大時代はランニングサークルに所属。昨年4月に実業団に入り、世界まで駆け上がった。大会前には「早く終わってほしい」と本音を吐露した24歳。重圧を抱えながらも、自国開催の大舞台を走り切り、感じたものとは。(取材・文=THE ANSWER編集部・山野邊 佳穂)

力を振り絞って42.195キロを走り抜いた小林香菜【写真:中戸川知世】
力を振り絞って42.195キロを走り抜いた小林香菜【写真:中戸川知世】

東京世界陸上

 陸上の世界選手権東京大会第2日が14日に行われ、国立競技場発着のコースで争う女子マラソンで小林香菜(大塚製薬)が2時間28分50秒で日本勢最高の7位入賞を果たした。早大時代はランニングサークルに所属。昨年4月に実業団に入り、世界まで駆け上がった。大会前には「早く終わってほしい」と本音を吐露した24歳。重圧を抱えながらも、自国開催の大舞台を走り切り、感じたものとは。(取材・文=THE ANSWER編集部・山野邊 佳穂)

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 走り出したら迷いはない。歓声をいっぱいに受けた唯一無二のランナーが、世界で7番目に速く、陸上の聖地に戻ってきた。

 大歓声に包まれた国立競技場。拳を握った小林に観客の視線は集まった。ラスト100メートル。最後の力を振り絞る。両手を上げて、ゴールラインを駆け抜けた。「もう、嬉しいです」。レース後、笑顔の花が咲いた。

 レースは予想以上のスローペース。序盤から前に出た。小林の後方で形成された上位集団には強敵アフリカ勢がズラリ。24キロ付近で抜き去られた。「意外と早く来た。ここから粘ろう」。心は折れない。上位を走っていた海外勢も、途中棄権や突然のペースダウンなど波乱を呼んだ。過酷を極めた中、世界初挑戦となった日本の新星が激走した。

 プレッシャーと闘いながら走り続けてきた。

 早大本庄高陸上部では全国的な実績はなし。早大では部活ではなく、マラソンの完走を目指すランニングサークル「早稲田ホノルルマラソン完走会」に所属した。練習は皇居ランを週1回2周する。楽しみながらも、自分はガチ練習。黙々とジョギングを続けた。

 2021年11月の富士山マラソンで初挑戦。ネクストヒロイン枠で2023年の大阪国際女子マラソンに出場し、2時間29分44秒で12位に入ると、マラソンの虜になった。最前線で戦いたい――。大塚製薬の河野匡監督に自ら売り込み、昨年4月に入社。大学時代は“自己流”で走り続けたランナーは、みるみるうちに実力を伸ばした。

 その年の12月防府読売マラソンを2時間24分59秒の大会新で優勝。東京世界陸上代表選考を兼ねた今年1月の大阪国際女子マラソンでは、日本人トップの2位に。大舞台への出場権を手に入れた。

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