「心電図が動いてくれて…」亡き祖父と約束 10年間のパン工場勤務を経て…異色の“元・市民ランナー”が今も追う夢――河村英理香

日本選手権出場を目指し…諦めずに走り続ける理由
高校卒業から13年。「若い頃は寝たら疲労回復していたけど、今は遅くなった」と体の変化も実感する。選ばれた者のみが辿り着ける国内最高峰の日本選手権。出場は決して簡単なことではない。辞めてしまえば楽になる。それでもまだ諦められない理由がある。
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「親とか周りの人の応援が大きい。あとは小さい頃からおじいちゃんがすごく応援してくれていて。死に目に会えたのが私だけで、その時はもう話せない状態だったけど、陸上の話をした時に心電図が動いてくれて……。多分反応したんですよね。そこで『納得がいくまで陸上をやり続けるね』と約束を交わしてお別れをしたので、今も頑張ろうと」
女子800メートルは日本記録保持者のスーパー高校生・久保凛(東大阪大敬愛高・3年)の出現で盛り上がりを見せる。河村も昨季は参加標準記録を突破したが、ターゲットナンバーに入れず。今季は怪我の影響もあり、出場できなかった。来年は地元・愛知で開催される。「『ここだ!』と思って。出場して周りの人にしっかりと応援してもらいたい」。照準は定まった。
「自分の性格上、決めたことは最後までやり遂げるというのがあって。まだやりきれていないので、諦めずに続けているのかなと思う」
応援してくれる人たちを、最高の舞台に連れていく。
(THE ANSWER編集部・山野邊 佳穂 / Kaho Yamanobe)
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