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「ベテランと若手の年が離れていて中間がいない」 離れる年齢差…ハンド「銀河系軍団」が目指す「脱スター」への道

「移籍したベテラン」と「生え抜きの若手」が混在

 もちろん、ジークスターもただ他のチームから選手を集めているだけではない。22年には中大卒の部井久を獲得し、その後も日本代表経験者らが新人として加入。チーム内は「移籍したベテラン」と「生え抜きの若手」が混在している。ただ、ジークスターの場合は年齢構成が特殊。伊禮は「ベテランと若手の年が離れていて、中間がいないんです」と説明した。

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 移籍してきた代表組は全員が30歳以上。逆に生え抜きは18年のチーム創設から知るLW細川智晃が最年長の30歳で、ほとんどが25歳以下だ。この日のベンチ登録21人のうち、30歳以上が11人、25歳以下が8人。間には26歳の部井久と27歳のLW宮本辰弥しかいない。

 「子どもの頃に憧れていた人たちだから、最初は緊張しました」と伊禮は明かした。これまではスターたちとのプレーに、若手が遠慮する場面も見られた。しかし、若手が増えてチームの雰囲気も変わってきた。岩下や元日本代表の甲斐昭人らGKは層も厚いが、大山は「高いレベルで競り合えば成長できるし、学ぶものも多いから」とあえてスター軍団に飛び込んだ理由を口にした。

 就任3年目の佐藤監督は「選手起用に、過去の実績や経験は関係ない」と話す。練習中から細かいデータをとり、調子のいい選手を使う。ほとんど実戦経験のない大山を岩下に代えて送り込んだのは冒険にも見えるが「この展開で誰を使うべきかを考えたら、たまたま新人だっただけ」と同監督。「守備をしない選手は使わない」を徹底するなど、厳しい姿勢でチームの雰囲気を変えてきた。

 この日、生え抜き組(30歳の細川を含めて)の得点は20点。移籍組の15点を上回った。昨年のPSG戦は移籍組の16点に対して生え抜き組は13点だったから、その割合は少しずつ増えている。「これからは僕らがチームを引っ張っていかなければいけないと思っています」と伊禮。移籍組のスター選手の多くが30代半ばを迎える中、若手の活躍による「脱スター軍団」がリーグH初優勝へのカギとなる。

(荻島 弘一 / Hirokazu Ogishima)

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荻島 弘一

1960年生まれ。大学卒業後、日刊スポーツ新聞社に入社。スポーツ部記者としてサッカーや水泳、柔道など五輪競技を担当。同部デスク、出版社編集長を経て、06年から編集委員として現場に復帰する。山下・斉藤時代の柔道から五輪新競技のブレイキンまで、昭和、平成、令和と長年に渡って幅広くスポーツの現場を取材した。

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