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「将来の夢はないです」 現役時代、宇野昌磨がこう答えていた理由 アイスショーにも生きる「自分の強み」

フィギュアスケートの元世界王者で、現在はプロスケーターとして活躍する宇野昌磨さんが「THE ANSWER」のインタビューに応じた。自身が初プロデュースするアイスショー「Ice Brave」第1弾が成功に終わり、11月14日から第2弾の東京公演が行われる。慣れないと語る「リーダー」という役割をどう果たし、チームの一体感を生み出したのか。宇野さんの思考に触れた。(前後編の後編、聞き手=THE ANSWER編集部・宮内 宏哉)

「Ice Brave」ではプロデューサーとして重責を担う宇野昌磨さん【写真:矢口亨】
「Ice Brave」ではプロデューサーとして重責を担う宇野昌磨さん【写真:矢口亨】

インタビュー後編、自身初プロデュースのアイスショー「Ice Brave」が11月第2弾

 フィギュアスケートの元世界王者で、現在はプロスケーターとして活躍する宇野昌磨さんが「THE ANSWER」のインタビューに応じた。自身が初プロデュースするアイスショー「Ice Brave」第1弾が成功に終わり、11月14日から第2弾の東京公演が行われる。慣れないと語る「リーダー」という役割をどう果たし、チームの一体感を生み出したのか。宇野さんの思考に触れた。(前後編の後編、聞き手=THE ANSWER編集部・宮内 宏哉)

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 ◇ ◇ ◇

――「Ice Brave」ではプロデューサーとして重責を担いますが、リーダー役は学生時代を含めてもほとんど初めての経験だそうですね。

「経験なかったですね。小学校でいうと、隅っこの方で鼻水垂らしてる、あれが僕だったので(笑)。いるじゃないですか、みんなの中心になる人が。そこの輪にも入れなかったので」

――呼ばれてようやく輪に入れるくらいのポジションだったのでしょうか。

「呼ばれなかったですね。はぐれ者たちで集まってゲームする。そういう派閥でしたね」

――そんな宇野さんが座長になり、周囲とコミュニケーションを取る際に気を配っていることはありますか。

「しっかり言わなきゃ、頑張ろうって最初は思っていたんですけど、やっぱり『こうしよう』『こうしなさい』って指示するのが苦手で。『もう少しこうしたほうがいいかもしれないけど、本人的にどう思う?』みたいな感じになってしまう。“1”を伝えるだけでも、時間がかかってしまうことが多かった。でも途中で、苦手な部分を克服することも大事だけど、得意な部分を生かすのも大事なのかなと考えたんです。

 みんなで仲良く、楽しく。僕がアイスショーを作る上で一番大事にしている部分として、スタッフ含め雰囲気がいいこと。スタッフとスケーターが完全に分かれてしまったり、スケーターの中でプロ意識は欲しいのは欲しいかもしれないけれど『お疲れ様でした、失礼します』みたいな感じじゃなくて。たとえ失敗しても笑い合えるんだけど、日々の練習はしっかり真剣にやる。そういう空間がすごく好き。

 各々がすごく真面目に一生懸命取り組むけれど、本当にみんながチームメイト。スケーターに限らずスタッフ全員がそう思える空間を作るのが僕は理想だったので、そういうメンバーになれてよかったなと思っています」

プロデューサーとしての活動を通じて「ちょっとだけ一人前になれた」と振り返る【写真:矢口亨】
プロデューサーとしての活動を通じて「ちょっとだけ一人前になれた」と振り返る【写真:矢口亨】

――チームのいい雰囲気が、観客を含めたアイスショー全体の熱狂に繋がっていく。

「やっぱりそういうものが、お客さんにも伝わる瞬間って絶対あると思うんです。MCでしゃべっている時も、滑っている時さえも。目線一つ、表情一つでパフォーマンスとして伝わる部分があるので。チームメイトの雰囲気の良さが、間違いなく皆さんに伝わる瞬間ってかなり多いと思うので、そういう空気感は大事にしたい。僕たちがもっとやりたい、もっと見せたいって思うショーが、皆さんにとってももっと見たいって思えるショーに繋がると思いました」

――「Ice Brave」第1弾を終えて、得られたものとして最初に挙げるものはなんですか。

「これまでスポーツ選手だったので、あまり社会経験というものをしてこなかった。皆さんのように完全な社会経験ができたわけではないかもしれないですけど、やっと若干、社会に溶け込めたような。いろんな連絡をしたり、いろんな人に話を聞いたり、活動をしていく上でちょっとだけ一人前になれた気持ちはあります。スケートはこれまでやってきたものがあるんですけど、そっちに関してはやってきたことがないものだったので、成長したなぁと」

――社会人として、一歩踏み出せた。

「皆さんと比べたら全然、甘い、甘い世界ですけど。裏方の世界を見たからこそ、いろんな場所でちゃんと自分が話さなきゃいけない、やらなきゃいけないことがある。自分のその時の感情ひとつで『いやー……』とかじゃなくて、みんな大変だし、みんな一生懸命だから『僕もプロ意識を持ってしっかりやろう』と思うようになりました」

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