「10秒00」16歳・清水空跳、家族が明かす舞台裏と素顔 父も母も姉も…全国出場の陸上一家、大会前は父が握る寿司で景気づけ

9月の東京世界陸上も現実味 家族も大混乱「チケットも…」
店を臨時休業して、家族3人で駆け付けた今大会。100メートルの決勝前には競技場の外で清水とバッタリ遭遇した。伝えられたのは「3桁(9秒台)を狙う」という言葉。思わぬ一言に驚いたが、「力むなよ」「楽しんでこい」とハイタッチで送り出した。1000分の1秒単位では「9秒995」。タイムは繰り上げとなるため、夢の大台は距離にして「あと5センチ」でお預けとなったが、日本高校新のほかにも今季日本最速、日本歴代5位、U18世界記録……と記録ずくめの快走。目標を共有し、一丸で戦ってきた清水家にとって大きな1歩になった。
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9月に開幕する東京世界陸上。出場も現実味を帯びてきた。清水は「自分でも受け止め切れてはいない。(大会は)観客として観に行こうと思っていた」と驚いたが、それは家族も同様。正雄さんが「ハイジャン(走り高跳び)の日はチケットを取っている。(息子の出場は)全然頭になかったから」と話せば、絵美さんも「チケットもどうなっているか分からないから帰ったら調べないと」と笑顔を見せる。想像を超える息子の急成長と活躍で、嬉しい悩みが増えるばかりだ。
正雄さん、絵美さんは「明るくて負けん気が強い。ちょっと律儀な一面があったり……」と素顔を明かす。今大会の最終レースとなった200メートル決勝後、清水は集まった報道陣に「お姉ちゃんがもう帰っちゃうので」と言い、向かった先は家族のもとだった。母にトロフィーを渡し、4人並んで記念撮影。そこではあどけない末っ子の顔に戻っていた。
夢は9秒台スプリンターとオリンピック出場。清水家の“陸上物語”はまだまだ続いていく。
(THE ANSWER編集部・山野邊 佳穂 / Kaho Yamanobe)
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