遅咲きの大打者が振り返る野球人生“一発逆転”の転機「後悔も未練もない」
コツコツと積み上げた先に、2000本安打の大記録が待っていた。
30歳過ぎで初めて規定打席到達、42歳で2000安打…和田一浩が振り返る「逆転」の転機
42歳11か月での達成は史上最年長。和田一浩は西武ライオンズに入団して6年目の2002年、30歳になってようやく規定打席にたどり着き、そこから「強打者」の道を歩み始めた。西武で11年、中日ドラゴンズで8年。首位打者、リーグMVP、クライマックスシリーズMVP、ベストナイン……多くのタイトルを手に入れ、2000本安打を達成したシーズンを最後に引退した。
規定打席をクリアした2002年シーズンは、捕手から外野手にコンバートされた年。ピンチをチャンスに変えたことで、自分の可能性を広げたのだった。
「外野は本格的にやったことのないポジションだったので、最初からうまくいくわけなんかないと自分のなかで割り切った感じがありました。だから上手にやろうとは思わなかったですね。逆に中途半端にやるのは良くないんで、とにかく思い切ってやるしかないとは思いました。
『自分は下手くそなんだ』と受け入れて、いろんな人の意見を取り入れながらやっていきましたね。(外野手が)1年通してやれるのかどうかも分からなかったし、とにかくその日の1試合を目いっぱいやろう、と。
本当に、一歩ずつ、一歩ずつ。行き当たりばったりで日々を目いっぱいやっていったら、『あっ、規定打席に届いたのか』というような感じですね。自分としては毎日を目いっぱいやろうとしただけ。割り切りという点では、『今はそれ以上求められても無理だから』とできないことをマイナスには捉えていませんでした」