配置転換が促す気づき「スタイルを身につけてからで遅くない」

　150キロを超えるボールを投げる元ソフトバンクの小林珠維投手は、今季開幕時の先発からリリーフ、そしてまた先発に戻っている。中日やDeNAでプレーした笠原祥太郎投手も、開幕当初の先発から中継ぎに回っている。チーム事情に加え、それぞれに武器を身につけさせるための選択でもあるという。

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　小林珠は昨オフ戦力外になっているとはいえ、まだ24歳。大卒2年目の社会人投手と同じ年齢だ。「若いんだからやることはいっぱいある。クイックのスピード、出力の上げ方とね。ここからNPBに行くなら、すぐ使えないといけないわけだから」と、NPB1軍で必要なことを一つ一つ身につけさせようとしている。

「本人は（NPBへ）行きたい、行きたいというのが前に出過ぎていた感じがあるから、そこは順番だよと伝えるつもりでね。できることとできないことを、失敗させて、分からせる時間を与えて。自分のスタイルを身につけてからでも遠回りではないんだよとね」

　30歳の笠原の場合は、何でもできると証明させたいとの考えがある。「ロングリリーフとか、人が嫌がるところでしっかり結果を残せる選手だと見られれば、また新たな可能性があるかもしれない。故障しない選手だなとか」。

　昨年のドラフト会議で、唯一オイシックスから指名された下川隼佑投手（ヤクルト育成3位）には、下手投げという他人にはない独自性があった。さらにロングリリーフでキッチリ抑えてみせるなど、どんな役割でも果たせる選手だと評価されたのが大きいと見ている。同じような好印象を、NPB球団に与えるにはどうすればいいのか。2軍球団の監督が考えることは多い。